第51章 心癒場所(玄奘三蔵)
頼華を抱えれば、未だに安心して眠る表情に平和呆けした顔だなと思って。
こいつはこんなに小さかったかと思う。
「安心して寝てる」
「あ?」
「頼華な、三蔵が居なくなってから殆ど寝れてねーんだよ」
「…そうなのか」
「だからもう、泣かせるなよー三蔵」
「…おまえに言われるまでもねぇよ、悟空」
こいつは餓鬼のくせに、ちゃんと見てたのかと思う。悟空だけじゃない、悟浄も、八戒も。出会ってからずっと見守ってたのか、なんて今更ながら気付く。
「今日は三蔵と頼華さんが同じ部屋ですからね」
「なんでだ殺すぞ」
「ふふ、その顔で言われても何とも思いませんよ」
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宿について頼華をベッドに降ろす。少し窶れたように見えるが、惚けて眠る顔に安心感があった。
「…んー、」
「お前このタイミングで起きるのかよ」
「…げんじょー、」
「宿についてるぞ」
ふにゃ、と笑う頼華の顔に思わず手が出てしまった。
「…え、どうしたの玄奘」
「知るか。分からん。」
「分からんて…離せばいいじゃん」
「それは無理だな」
「横暴!」
恐らく、俺は求めていたのだ。俺の心の闇を、照らしてくれる太陽を。こんなにも近くにいたのに。
「…三蔵法師が聞いて呆れるー」
「うるせぇ黙ってろ」
「…何か言うことはないの?」
「あー…」
「…言わないなら離して」
「クソが。俺の隣から、離れんなよ」
「…それだけ?」
「……あー!!好きだよ!!」
「なんで逆ギレ!?」
「…もう良いから黙って抱かれてろ」
「はーい」
心癒場所
_____俺にとっての
たったひとつだけのオアシス
次の日、はじめて寝坊した三蔵と頼華は悟浄に弄られまくっていたとかなんとか。
(お前のせいで寝坊した)
(玄奘のせいじゃん!)
(おーおー、仲良いな)
end
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すいません、まじでどうしても書きたくなってしまって…
玄奘三蔵かっこよすぎる。
てかみんなかっこいいんですよ最遊記
おまけ→