第50章 移り香(サンジ)
気づけばベッドに横たわっていて、目の前には天井を背にした彼の姿。
「…本当にいいんだよな?」
「…うん。サンジがいい」
「だからそんな可愛いこと言うなって」
ちゅ、と首元に証を残して彼の唇は徐々に下にいって。するりと横腹を撫でられれば、否が応でも反応してしまう。
「服、脱ごうな」
そういった彼は一気に私のランジェリーごと剥ぎ取っていく。
「や…はず、かしい…」
「隠さないで、全部見せて」
両手で咄嗟に隠したはずの私の双丘に隙間から入り込むサンジの手。右手は彼に繋がれた。
「…綺麗だよ、ライカ」
「っ…あぁ…!!」
ぱくりとくわえ込んだ彼の頭に無意識に手をやれば、漂ってくる彼の匂いに、きゅんと、体が疼いたのがわかる。
「…ふ、可愛い」
何回も何回も、可愛いと言われて、与えられる快感に頭はぼーっとしてきた。
「…ゃ、あ…そこ…!」
「ん、濡れてる」
いつの間にか私の恥丘にまでいっていた彼の指が、すり、と下着越しに触れてきて。さらに、自分の知らないなにかがじゅわ、と出てきたのが分かる。
「気持ちいい証拠だ、怖がることねぇよ」
「…きもち、いい…?」
「うん、おれに感じてくれてる証拠」
そう言われてしまえば、恥ずかしくて仕方なくて。
「え、なに…や、だぁ、だめ…!」
下着を剥ぎ取られて、足を開かれる。恥ずかしくて足を閉じようとした瞬間に、ぬるり、と生暖かいものが触れてほしくないところに触れて。それがサンジの舌だと気づいた。
「ちゃんと解さなきゃ痛いぞ」
「で、も…こんな…!」
私の足の間からこちらを見ているサンジの視線が恥ずかしくて、両手で顔を覆った。
「…だめ、ちゃんと顔見せて」
「だ、って…恥ずかしい…!!」
「おれしか居ないから、な?」
顔を覆う私の手を優しく握るサンジに、恐る恐る目を開く。
「おれに身を委ねて、ライカはただ感じてればいい。おれは、ちゃんと見たいから。」
「さ、んじ…」
そう言えば、また、彼は私のソコに顔を埋めた。くちゅくちゅ、と卑猥な音が私の耳のなかで反響して。恥ずかしさは、やがて快感になっていった。
「ん、甘ぇ…」
「さ、んじ…さんじぃ…なんか、くる、ぅあぁぁ…っ!」