第46章 宿命(XANXUS)
あの目…恐らく、なんて俺はすぐに分かり。隣に未だに分からずにいる頼華の腰に手を回して、自分に引き寄せる。
「…え、XANXUS?」
「…嫌か」
「…ううん、嫌じゃない」
周りに、そしてあの男に牽制するように頼華の腰を抱く。少しだけ頬を赤らめて嬉しそうにする頼華の顔に、今の俺は満足気な顔をしているだろう。
「…おい、カス鮫にベル」
俺たちの護衛に、と一応着いてきていたふたりに声をかければ、俺の言いたいことを理解したと言わんばかりの顔をして、奴らは俺たちの前に立ち塞がる。
ス「ゔぉぉぉい!カス共、聞け!!」
ベ「初見の顔も何人か見えっけどさー、俺たちヴァリアーね」
ス「何時でも殺されるかも知れねぇってこと、理解しとけやカス共!」
すべてはパーティで俺たちの威厳を見せる為に。
「…こいつは俺の女だ。こいつは俺のFemme Fatale(運命の女)であり、俺の逆鱗だ。触れたら最後、命はないと思え。」
そう俺が言えば、しんと鎮まる会場。
「っ…XANXUS、」
「…満足だ。帰るぞ。」
俺は彼女の腰に回した手を離すことなく、踵を返して会場を後にした。
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ツ「…わー、あれ何」
獄「XANXUSの野郎もやりますね」
山「ははっ、おもしれー」
XANXUSが会場を後にした直後、一部始終を見ていた時期Ⅹ代目候補とその守護者たち。
雲「あれくらいしてもらわないと困るよ」
ク「頼華さん綺麗だった…」
Ⅸ代目から頼華がXANXUSの正式な婚約者になったことを聞かされていた沢田綱吉。まぁ、XANXUSらしいのかな、なんて思っていた。
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何が起こったのか、全く理解できない。あの頃の少女よりかなり成長していた彼女。近づきたくて仕方なかった俺の野望は意図も簡単に、XANXUSにより崩されて。XANXUSの横で照れているであろう彼女の顔は、まさに女のそれだった。
俺の”愛”は儚く散ったのだと思い知らされた。
宿命
___ファムファタール
(俺にもいつか彼女のような)
(宿命の女が現れることを願って)
end
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XANXUSって主人公ちゃん大好きだから牽制しまくるよね、って思います。