第46章 宿命(XANXUS)
おまけ︎✿
ヴァリアー邸に戻り、俺は会議室にいた。頼華を隣に座らせ、身を委ねるようにソファに沈み込み先程のことを思い出していた。
あの男の顔と言ったら、笑えた。擦り寄ってくる女共には目もくれずに、ただ頼華を見つめていたあの男の目。
俺の言葉に一気に青ざめていく奴の姿に、笑いが込み上げてくる。
「…はっ、ドカスが」
「…どうしたの?」
思わず口に出た俺の言葉に反応する頼華。レセプションから戻ったばかりでまだ着替えてない彼女の姿を見て、俺の”ファムファタール”ね、なんて先程の自分の発言を思い出して。
「…いや、何でもねぇ」
「…なんか楽しそうだね」
なんて。俺の顔は、未だに奴の顔を思い出していてどんな顔をしているのだろうか。そんな俺の顔を見ながらそう言う頼華に、やはり俺の女は最高だと思い、ソファに押し倒した。
「ちょ、ざん、ざす…?」
口紅を塗った彼女の唇をひとなですると、俺の親指に映える深紅の紅。今からナニがはじまるか、理解した彼女の顔は赤く染っていた。
「…いい格好だな」
なんて言いながらも俺は彼女の胸元に顔を埋めた。
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暖かさに目を覚ませば、いつの間にかベッドの中にいた。きっとXANXUSが運んでくれたんだ、と思い隣を見ると彼は既に起きていて、枕を背中に挟んでベッドの上で書類らしきものを読んでいた。
「…起きたか。」
「…うん。おはよ、XANXUS」
「…おはようって時間でもないがな」
上半身裸のXANXUSを見ると、先程のことを思い出して子宮が疼いた気がした。
「…ねぇ。」
と彼に声をかければ、読んでいた書類をサイドテーブルに置いた。頬をすり、と撫でてくる彼に目を瞑れば優しく降ってきた、触れるだけの口付け。
「…なんだ、これが欲しかったんじゃないのか?」
「…うん。」
「…随分素直だな」
私を”ファムファタール”と呼んだ彼の心情は、私の持つそれと同じだったのかと思い知り、嬉しさで心は満たされていた。
”運命の人”なんてそんな言葉で、言い表しようのないくらい、大切な人。いつまでも、そばに。
ほんとにend
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最近おまけ書きすぎな気がする。笑