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Amor vincit omnia__愛の勝利

第45章 女神様(サンジ)





「んー……」

なぜか視線を感じて目を開ける。…あれ、私いつの間に寝てたんだろう。最初に視界に入ったのは、まったく知らない部屋。でも、どこか見覚えがある。


チ「…お、起きたか!!」

「……………へ?」


え、何これ夢??


「…チョッパー…?」

チ「ん?なんでおれの名前知ってるんだ?」

「チョッパー!??え、なに、これは夢!?」


頭を打ったのかな、なんて。目の前の光景に理解ができない。


チ「え、お前ちょっと落ち着け!??」

「…かわいい!!」



と、チョッパーを抱き上げればバタバタと動き回るそれに、これは事実だと知る。

ふいに、ノックされて開かれた扉の先に、いちばん会いたかった人がいて。




「目覚めたんですね、レディ」

「!???」



思わずチョッパーを抱きしめる腕が強くなる。


チ「おい!力がつよくなってる!!」

「あ、ごめんごめん!」


慌ててチョッパーを離して、入ってきた彼に目線を向ける。



「?…どうしたんだい、レディ」

「…かっこいい」

「…っ!?」



普段女に目のないサンジ。自分が言うことには慣れていても、言われることには慣れていなかった。



「あ、顔赤くなった」

「…そんな実況中継しないでよ、レディ」

「…マジで現実かこれ」



サンジ、と話してる。あの、サンジ、と。
生きててよかった、とか、生まれてよかった、とか意味不明なことが脳内を駆け巡る。



「…レディ、お名前は?」

「頼華。龍ヶ崎頼華っていいます。」


_______



彼女の話を聞くに、どうやら別の世界から来たという。普段は看護師として働いている、社会人?というらしい。おれたちはその彼女の住む世界では、言わば2次元?とかいう世界らしく。言っている意味が全く分からなかったのだが。


はじめは正直信じられなかったが、天から降ってきた彼女の顔を見る限り、本当に別世界の人間なのだろうと思う。



「レディにこんなこと聞いていいか分からねぇが…」

「なに?答えるよ?」

「その…あー…」

「もしかして年齢聞きたい感じ?」

「…すまねぇ」

「顔が幼いからねー、私。28だよ」



…まさかの年上だった。顔の幼さからして、年上に全く見えないその顔に、おれはきゅんとしてしまった。
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