第44章 目指す先に(灰崎祥吾)
転入試験以来の、景色が今私の目にうつる。
新幹線がついてからも尚、繋がれた手に彼の隣を歩いていく。
「…ここだ」
ここが、私と、祥吾くんが暮らしていくマンション。
福田総合に行くにあたって、祥吾くんから同棲のお誘いがあった。すごく嬉しかったけど、両親に反対されるかなという不安がものすごくあった。
同棲するって言っても、まだ高校生の私たち。
その不安に駆られながらも、両親に話せば快く快諾してくれて。むしろその反応に拍子抜けしたのだが。
ガチャリと開いた扉の先には、すでに運び込まれた荷物の山。
家具は私の両親と、祥吾くんの両親からのプレゼントだった。
「…大丈夫か?」
ソファに腰掛けた彼はそう私に問う。
「長い時間移動したから少し疲れたけど、平気だよ」
「…そうか…ん。」
「…え?」
未だに立ち尽くす私に、座った祥吾くんは両手を広げていた。
「…あー、恥ずかしいんだから早くしろ」
「っ…うん!」
両手を広げる彼の胸元へ飛び込めば、また、力強く抱きしめられた。
「…やっと、はじまるな」
「…そう、だね」
「…会いたかった」
「っ…私もだよ!!」
1ヶ月会っていないだけで、寂しさがかなり強くなっていて。やっと、今。思い焦がれて、待ちわびていた人が、目の前に。
「…目、つぶれ」
「あ…ん、ぅ…」
口付けが降ってくる。何度も啄んだあと、ぬるりと入ってくる彼のソレに必死について行くのが精一杯で。
「…可愛いな」
「…っ」
「…大切に、するから。」
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「や、んむ…ふ、ぁ…」
「やわらけー」
「…ごめん、ね」
「…あ?」
「…小さいでしょ?」
「…馬鹿いってんじゃねーよ」
「んふぁぁ、!」
くにくにと舐めたり揉んだりしてくる祥吾くんに、頭がふわふわして。全身が、あつい。
「…濡れてる」
「や、きたな、い…!」
「…汚くねーよ。綺麗だ」
私のソコに顔を埋めた彼に、恥ずかしさが増して涙が溢れてくる。
「やだ、なんか、こわい、しょうご、くん…!!」
「大丈夫、怖くねぇ」
「や、ぁぁぁぁ、!!」
押し寄せてきたはじめての感覚に、身を委ねた。