第40章 永遠に(跡部景吾)
卒業式当日。
この制服も、今日までかと思うと少し寂しい感じがする。
ここに、氷帝学園に入ったからこそ、頼華くんと出会えたから。彼と出会って6年、付き合いはじめて3年、長いようで短かった。色んなことがあった。彼と付き合った日、はじめてキスをした日。傷ついたこともいっぱいあった。だけど。それでも、私たちはお互いじゃないと駄目だったから。
「…よし!」
いってきます!と家を出れば、迎えに来ていた景吾くんの姿があった。
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「わぁぁん、今日で氷帝とも最後かぁ」
「なにそれ泣いてんの、枯れてるじゃん」
「泣きたいけど、式にとってるの!」
なんて友達の話を聞きながら。もう、このやり取りも出来ないのかな、なんて思ったつもりが、どうやら口に出てたらしい。
「なわけないでしょ!これからも私たち親友じゃん!」
なんて背中を叩かれた。
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式では卒業生代表として、元生徒会長の景吾くんが答辞をしていた。
彼の言葉に皆、思い出を懐かしんで、涙して。
卒業式後の最後のクラスホームルームでも、泣きっぱなしだった。
「またね、絶対、また会おうね!」
「絶対あそびにいこ!」
なんて友達と校門でやり取りしていた、のに後ろに腕を引っ張られた。
「…景吾くん!!」
「そろそろ頼華、いいか?」
「え?」
「「あ、どうぞー!!」」
頼華、またね!絶対行くから!なんて言う友達に見送られながら、景吾くんに引っ張られていった。
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「な…こ、れ…」
わけも分からずに、景吾くんに連れてこられたホテルの一室。
目の前には真っ白なウェディングドレス。
「…明日、結婚式を挙げる」
「っ…」
この人は。どれだけ私を喜ばせようとしてくれるのか、サプライズにも程がある。
「…やっと、やっとだ。」
「け、いご、くん…?」
彼は私を後ろから抱きしめながら、言う。
「やっと、お前を、頼華と、一緒になれる」
「っ…うん…!」
「あらためて言う。…俺と結婚してくれ」
返事は??そういって、彼の方を向かされた私は___
「もちろん、はい、だよ!!」