第40章 永遠に(跡部景吾)
あのまま、この部屋に泊まるとそう言われて。
たぶん、おそらくここはこのホテルの最上階。
見渡す限り、綺麗な夜景が拡がっていた。
明日、私たちは結婚する。
______
「き、緊張する…」
『大丈夫ですよ、お綺麗です』
朝から大変だった。かなり朝早くに起きて、別々の部屋で衣装合わせを行って。私はもちろん、ウェディングドレスにあう御化粧が施されて。
ファーストミート、というやつらしい。扉を開けた奥に、景吾くんが、いる。
『さぁ、ご対面ですよ』
そうスタッフさんの言葉で覚悟を決めた。
「っ…」
「…景吾くん、」
何も言わず、ただこちらを見つめ黙り込む景吾くんに不安になる。
「…やべぇ」
「えっ…な、なにか変かな…?」
「…違ぇ。式終わるまで我慢出来ねぇかもな」
ぼそっと口に手を当てて、真っ赤な顔をそむけながらそんなこと言うから、私まで赤くなる。
「っ…ばか、」
「…悪ぃ。でも、」
本当に凄く綺麗だ、と笑う彼の笑顔がとても愛しく感じた。
「…あなたのお父さん、かっこいいね」
「…!」
なんてお腹をなでながら我が子に問えば、ポコン、と返事が返ってきた。
『汝、病める時も健やかなる時も相手を敬い、生涯愛し抜くことを誓いますか?』
景吾くんに出会ってから6年。絶対に交わることの無い世界の人なんて思っていた。極道と財閥、まったく違う世界に生まれた私たち。その垣根はいまはもう隔たりなく。わたしの弱いところもすべて、受け入れてくれる彼を信じようと思った。信じたいと思った。彼の、いちばん近い存在になりたいと思った。
頼華にであって6年。どうしていいかわからなかった、2年間がもどかしく。中3のあの頃、行動していて良かったなんてそう改めて思う。あの行動がなければ、俺の隣に頼華は居なかったのかもしれない。でも、今はこうして隣にいて。俺は未だに夢なんじゃねーかと思う時もあるけど。お前と、どんな苦難も乗り越えていける、そう思った。
「「はい、誓います」」
永遠に
__あなたとの証を
(絶対に守り抜く、こいつも子供も)
(絶対に離れない)
end
______
やっと書けたぁぁぁ!
いいなぁ結婚式