第39章 日常(XANXUS)
最近のオフの日には、ほとんどベッドに縫い付けられていた。久しぶりに見るイタリアの街並みに、わくわくして窓の外を見遣る。
「…おい、」
「ん?どうしたの?」
「…これ、」
「?」
XANXUSはふと、彼女の隊服のスカートを握る。
「あぁ、最近隊服新しくなったの!」
「…そうか」
「でもなんか、短いよねこれ」
最近頼華の隊服は新しくなった。スクアーロが新調してくれたのだが、デザインしたのはルッスーリアとかで。以前のスカートと比べれば、丈が短くなったような気がしていた。
まぁ、短くしたのはXANXUSの指示なんて、頼華は知る由もないのだろうが。
「…似合ってる」
「!…ありがとう」
照れくさそうに笑う彼女に、俺は帰るまで理性を保てるのかなんて考えていた。
「…これで最後か?」
「うん!」
買いたいものを買えてうきうきな頼華。かなり結構な量買ってしまったが、XANXUSが手伝ってくれて。でも、つないだ手は離さずに。
「…おいこれ何だ」
「あ、ベルとマーモンへのお土産!」
「…そうか」
「ダメだった…?」
しゅん。と耳が生えていたら垂れているであろう頼華に、なわけねぇだろ。そう言えば、パァァと明るくなる。こいつの表情の変化は面白い。
ベルフェゴールとマーモンが頼華を可愛がってくれていることは知っていたし、普段の奴らの行動を見れば分かるほど。俺だけでなく、周りからも好かれている頼華。それだけヴァリアー内で認められている彼女が、今俺の隣で笑っている。
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部屋に戻ると、荷物をテーブルに広げていた。…買いすぎじゃないのか、と俺が思うほどの荷物の量。
「あー、楽しかった!」
「…そうか。」
まぁこいつが楽しければそれでいいか、と俺はソファに腰掛けた。
「ねぇ!ベスター出して!!」
「…仕方ねぇな」
以前、ボンゴレの奴らが未来での戦いを終えたあとに俺たちに支給された匣兵器(ボックスへいき)。すでに頼華は自分の匣を開匣(かいこう)していて、彼女の匣兵器____エマがいた。
「わー!ベスター!久しぶり!!」
エマの元にのっそりと歩いていく俺の匣兵器、ベスター。