第34章 お題3
「…はぁ。」
なんとか予定より早く終わった打ち合わせ。頼華は昼からの予定だったな、とふと思い出して車を路肩に寄せ携帯を手にした。
「…出ない?」
プルルルと呼び出している無機質な音だけが聞こえてきて。普段なら大概1コールで出てくれる彼女の声が、今日は聞こえない。仕方ない、と電話を切ろうとすれば呼び出しが消えていた。
「もしもし、頼華_____」
「ん、ぅ…け、いごくん」
「!??」
俺の名前を呼ぶ声は、確かに頼華の声だ。あまりにも艶めかしく聞こえる彼女の声に一体何が起きてるんだと理解が追いつかない。
「…どうした、体調でも悪いのか?」
平静を装いそう問いかければ、聞こえてくる息遣い。
「…すぐ帰る」
そう電話を切った俺は、車のスピードをあげた。
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「旦那様、お帰りなさいませ」
どれくらい飛ばしてきたか分からないが、気づいたら本邸についていて。出迎えたミカエルに荷物やら全てを押し付けた。
「…今から部屋にだれも近寄らせるな」
「かしこまりました。」
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足早についた俺と頼華の部屋。どうやら鍵は閉まっていたようで、内心ほっとして、ネクタイを緩めながら鍵を開ける。
部屋に入ればテーブルに散乱した缶とクッキー、恐らく忍足の送ってきたものだ。
「…なんだ、これ」
缶の底にはいっていた小さな紙、なにか書いてあるらしいそれを読めば合点がいった。
ふと、聞こえてくる声。
奥の寝室から聞こえる艶めかしく俺を呼ぶ声___頼華だ。
寝室をあければ、キングサイズのベッドの上で縮こまる頼華の姿があった。彼女はまだ入ってきた俺に気づいてないらしい。
「ん、や…けいご、ぉ…っ」
彼女の手元をよく見れば、俺が朝方まで着ていた寝具が目に入る。左手で自分の鼻腔に持っていき、恐らく匂いを嗅いでいるであろう、彼女。右手はいそいそと、秘豆に手が伸ばされていた。
「ん、ゃ…いく、いく…っっ!!!」
びくびくと身体を震わせる彼女の足元をよく見れば、何回達しているのか水あとが広がっていた。
「ん、ぅ……やぁ…、!??」
「…いい眺めじゃねーの」
再び指を動かしはじめた彼女は漸く俺の視線に気づいたようだ。