第32章 しるし(XANXUS)
(現代side)
どうやら10年後の頼華は、俺の子供を妊娠しているらしく。
…ますます頭が着いていかねぇ。
ル「その調子じゃ、6ヶ月ってとこかしらね?」
「さすがルッスーリア!」
ス「…へぇ、あのボスが、ねェ」
…クソ鮫がこっちを見てニヤニヤしてやがる。
燃やすぞ、と手をあげれば、それは10年後の頼華に止められた。
「ダメでしょ、XANXUS」
ス「…さ、さすが10年後の頼華」
「…チッ」
「あ、舌打ちしてもダメでーす」
やはり中身はなんら変わっていない、頼華のままだ。
「…ねぇ、XANXUS」
「…あ?」
「…XANXUSといれて、今、わたし幸せだからね」
「……」
「普段多分、言えないと思うけど_____」
”愛してるよ、XANXUS”なんて呟いたかと思ったら、再び白い煙が周りを包んだ。
「けほ、っ……」
「…戻ったか」
「…XANXUS!」
ようやく現代に戻ってきた、なんて思っていつもの様にXANXUSに駆け寄ったけど、先程のことを不意に思い出し、足が止まった。
「…?」
XANXUSもいつも飛び込んでいく私が急に足を止めるから、驚いた顔をしていて。
ル「あら、どうしたの頼華」
ス「お前、顔赤いぞォ」
「え、いや、き、気の所為だと……って、ちょっと!」
「…来い、」
XANXUSに悟られたのか、浮遊感がしたと思ったら。XANXUSに担がれていた。
ス「…ありゃ、いっとき部屋に近づかねぇ方がいいな」
ル「…そうね。」
スクアーロとルッスーリアは、溜息を吐くとそれぞれの部屋に戻るのだった。
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「…で?」
「…はい、何でしょうか…」
何これは。XANXUSの部屋に拉致られたと思ったら、ソファに座ったXANXUSを跨ぐ形で座らされて。腰にはがっちりとXANXUSの腕が回されて、逃げられない。
「…お前、10年後になにかされたな」
「ぅえ!?」
「はっ…図星か」
…あれ、XANXUSって超直感ないよね…感が鋭すぎるよ。
真紅の瞳に射抜かれてる私は、白状するしか無かった。