第32章 しるし(XANXUS)
(現代side)
「そっか、この日かー!XANXUS、若いなぁ」
ス「…お゛ぃ」
「わ!スクアーロにルッスーリアじゃん!久しぶり?」
ル「あらぁ、随分大人っぽくなってるじゃない」
「そーかな?」
ス「…中身変わってねーじゃねぇか」
「失礼な!…って、XANXUS?」
10年後の頼華は少し身長も伸びていて、顔つきが20代のもの。
XANXUSの頭は未だに混乱しているようだ。
「おーい、XANXUS?」
「…お前、ガキいるのか」
「…あぁ!そうだよ!」
大きく突き出たお腹を撫でる彼女の顔は、色っぽさを増していた。
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(10年後side)
「え、っと…XANXUSのそっくりさん?」
「…ぶは、」
「あ、笑い声まで一緒」
「…相変わらずか、」
「え?」
「…お前、頼華だろ」
「なんで私の名前を、!?」
男は少女の手の甲に、口付けを落とす。
「だ、だめです!XANXUSに怒られる!」
「…俺がそうだが?」
「…へ?」
…確かに匂いが彼のソレと一緒で、首元にある羽も殆ど一緒…?それにこの部屋_____
「…あぁ。お前と俺の部屋だな。」
「…え、マジでどういうこと」
男は仕方ない。と言わんばかりに、頼華に説明をした。
「…ってことは、あなたは10年後のXANXUS?」
「…あぁそうだ」
「…ほんとに?」
「…何をそんなに疑う」
「だって……」
10年後のXANXUSといえば、現代と違って髪を下ろしているし、かなり落ち着きのある男性になっている。
15の頼華にとっては、34のXANXUSは、だいぶ刺激が強い存在のようで。
「…愛らしいな」
「…あ、愛らしい、って…!!」
10年後のXANXUSが少女の頬に触れれば、ぴくりと反応する様子にXANXUSはふ。と笑っていた。
そのXANXUSの顔に、さらにかぁぁっと赤みが増す頼華の顔。
「…そろそろ時間、だな」
「…え……!!!」
「…10年前の俺に宜しくな、caro gattino(愛しの子猫ちゃん)」
_____ボブっ!!!
再び周りは白い煙につつまれた。