第26章 あなたとともに(ゾロ)
ナ「んで、本題ね。あんたゾロと”そういう関係”ってことでしょ?」
「ちょ…!そこまで知ってるの!??」
ナ「だから見てりゃ分かるって言ったじゃない」
ロ「あんなに熱情的に見つめてれば分かるわ」
ふふ、とロビンは笑っていた。
「熱情的って…」
ナ「あんた達、よくまぁあんな所やこんな所に隠れてシてたわね」
「…ナミ!??」
ナミは表情を崩すことなく話していく。
ナ「で。ゾロからは何か言われたの?」
「何かって…?」
ナ「好きだ、って言われたのかってことよ」
ナミに言われて気づいた。
たしかに何も言われてない。
でもスキンシップはあの日からクルーの前でもお構い無しなゾロ。
私はたしかにゾロがすきだけど_____
…え、これって…
付き合ってる、わけじゃないよね?
ナ「やっぱりか…あいつ言わなそうだもんねー」
ロ「剣士さん、無骨でしょうし」
「…いやいやいや、そもそもゾロが私の事すきって決まった訳じゃないじゃん。」
ナ/ロ「「(いや、誰が見てもあれは”すき”よ)」」
_____________
あれからナミとロビンに根掘り葉掘り聞かれたが、ゾロが私を好きだなんて有り得ない。
たまたまあの日、かち合ったのが私だっただけ。そう思うことにした。
たしかにゾロが何も言わないのはこの都合のいい関係性を好んでいる__そう思ってるから。
ダイニングを出た私は少し息抜きしようと、メインマストの上のトレーニングルームに向かった。
今なら、まだゾロは甲板にいるはずだし運動でもして気分をはらそう___なんて数分前の自分を恨みたい。
「よォ」
「…なんでいる訳」
「なんでって…トレーニングしてんだよ」
トレーニングルームに入ると、甲板で寝ていたはずのゾロが目の前にいた。
「…甲板で寝てたじゃん」
「ここに居たら悪ぃのか」
「…べつに」
今はゾロに会いたくない、そう踵を返したはず、なのに。
ノブにかけた自分の手がゾロの手によって遮られた。
「……なぁ」
「…今は、やだ」
「…はぁ?」
「……よ、」
「…ライカ、」
「…もう、いや、なの…っ!」
「っ……おい!」
ゾロの手を跳ね除けて、私はトレーニングルームを飛び出した。