第26章 あなたとともに(ゾロ)
ダイニングに向かうと、キッチンのほうで昼食の支度をしているサンジがいた。
「ちょうど良かった、レディたち。紅茶を持っていくところだったんだ」
「ありがと、サンジ」
「サンジくん、ちょっとダイニング借りるわよ?」
「ナミさん喜んで…!」
サンジに一言かけた私たちはダイニングの椅子にこしかけた。
「…で、何かあったんじゃないの?」
「…まぁ、ね」
「…ゾロ、でしょ」
「ゴホッ...ちょ、なんで…!!」
思わず紅茶を気管にいれてむせてしまった私に、ナミは涼しそうな顔で紅茶をひとくち口にした。
「あんた達見てたら分かるわよ。」
「…え、まじ?」
「マジよ、マジ。」
ま、あたしだけじゃないわよ気づいてるの。なんてナミは言うから、更に血の気が引いた。
「俺も気づいてたよ、ライカちゃん」
「…ふふ、私もよ」
「ちょ…ロビンいつから!」
「あら、最初から居たわよ」
ナミだけじゃない、いつの間にかいたロビンやサンジもこちらに来てそう言った。
「えーっと…ルフィたちは気づいてないよね?」
ナ「あいつらは鈍感だから気づかないわよ」
「ってかロビンとサンジまで……」
サ「…正直、ライカちゃんがあのマリモとなんて…信じられないけどな。」
ロ「あら、似合ってるじゃない」
「ちょ、ロビン!!!」
ナ「…ライカと歳が近いあたしが最初に気づいたのよ」
ナミ曰く、あの船番の日___島から帰ってきてゾロに最初に会ったらしく。そのときにライカの匂いがしたらしい。
それにその時のゾロの表情がいつもと違った、と。
「あ、あたしの匂い…?」
ナ「そうよ。あんた、甘い匂いがするじゃない?」
「え、そうなの?」
ロ「香水なんて好まないあなたから匂うってことは、あなた自身からってことよ」
サ「俺、あれ香水だとてっきり…」
どうやら私からは甘い匂いがするらしい。
ゾロもよく言っていたけれど、あまり分からないなぁ。なんて。
サ「そろそろ野郎共に飲み物持っていくから、あとはレディたちでごゆっくり。」
サンジはそう言うと、私の頭をひと撫でしてダイニングを出ていった。
…なんで頭撫でた?なんて的はずれなことを思って。