• テキストサイズ

Amor vincit omnia__愛の勝利

第26章 あなたとともに(ゾロ)






「…はぁ。」


今日は天気がいい。
洗濯物を干しながら彼女は小さくため息をこぼした。



果てしなく広がる海の上にある船の上。
狭い船の上だからこそ、なのか。
まさか”ああ”なるなんて思ってもなかった。



彼女の悩みの”種”は今、目の前の甲板で鼾をかいて寝ている緑頭の人物、ゾロだ。



仲間になって幾分か経った頃。
所謂”そういう関係”になってしまった、彼と。




___________




とある島に上陸した際、たまたま船番をすることになって。
その日も天気が良かった、今日みたいに。

みんなが出払っている、そう思いシャワーでも浴びようかと風呂場に向かい扉を開けようと手をかければ、逆側から扉が開けられた。





「…あ?」

「え…!??…なんでいるの!??」

「…そりゃこっちのセリフなんだが」



まさに上がったばかりであろうゾロは腰にタオルを巻いて、頭を拭いている状態で。
扉を開けようとしたとき咄嗟に反応できず、ゾロの胸元に飛び込む形になっていた。


鍛え上げられた彼の体が嫌でも目に入ってきて、とっさに跳ね除けた、つもりだった。


「なに照れてんだよ」

「な…何言って…!」

「…お前、いい匂いする」

「へ……あ…!」




ガブリ、と首元に噛み付かれた。


「ちょ…何して…!」

「…いいから来い」






__________




そのまま、関係を持ってしまったのだ。
あれからことある事に彼は私を求めてきて。
クルーが近くにいようがお構い無しに求めてくる彼。



元々ゾロに対しては特別な感情を抱いていた。

出会った時から、ずっと、彼が好きだったから。

でもゾロは女には興味無い、なんて思っていたのに。







「…はぁ。」

「…ライカ、さっきからため息つきすぎじゃない?幸せ逃げるわよ」

「ナミ…!」

「悩み、あるんでしょ?聞いてあげるから」




ほら、こっち。とナミはライカの手を引いてダイニングに向かった。
/ 375ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp