第24章 守るべきもの(XANXUS)
「XANXUS…!」
「… Grazie」
「え?」
「…よく、頑張ったな」
そう言って彼女の頭をひとなですれば彼女は目に涙を貯めていた。
「…泣き虫は変わらずだな」
「だって…ばか」
泣きながら笑う彼女は今までに見た中で美しく俺の目に映った。
「まさかの双子!」
ル「検査では分からなかったものねぇ。人間って神秘的。」
「ねぇ、XANXUS。抱っこ、してあげて?」
俺の目の前にあるふたつの小さな命。抱き方なんて全く分からないし俺に育てられるのか。
そんな不安を分かっているかのように頼華は俺の手を握って笑った。
そんな時赤ん坊が俺に手を伸ばす。小さな手に自然と指を差し出せば、ぎゅっと握られた。
「…ほら、ちゃんとパパって分かってるんだよ」
頼華に促されるように、小さなふたつの命を両手に抱えあげた。己の手よりも小さな命に心拍数が上がる。
これが、頼華と俺との___
「…ふふ、」
「…何笑ってやがる」
「優しい顔、してる」
その後、ルッスーリアが他のヴァリアー幹部を呼びに行き。
喜びのあまり泣き叫ぶもの(まぁレヴィだが)、可愛いと頬を突っつくもの、みんな、自分のことのように喜んでくれた。
ス「…お疲れだったな、頼華」
「ありがとう、スクアーロ」
ス「…お前がXANXUSと出会ってくれて良かった」
「…え?」
ス「お前に出会ってなかったら、きっとボスは…」
「…」
ス「あんな顔、させてるのは頼華、お前のおかげなんだぞ」
「…!」
スクアーロはずっとふたりを近くで見守ってきたからこそ、今がいちばん嬉しくて。
普段口にはしないけれど、XANXUSが丸くなったのは頼華の影響で。
あんなに他人を拒絶していたXANXUSが親になる、なんて全く思っていなかったけれどこの未来で良かった。なんて。
ふと、双子の赤ん坊をあやすXANXUSを見て、頼華はスクアーロの言わんとすることがわかって小さく微笑んだ。