第24章 守るべきもの(XANXUS)
真六弔花との壮絶な闘いもおわり、
頼華は予定日を間近に控えていた。
「…大丈夫か」
「ん、平気だよ」
臨月ということもありXANXUSは彼女を戦場に連れていくことを最初は拒んでいた。
もし、万が一、何かあっては彼女だけでなくお腹の子も__そう勘が働いたから。
だが頼華はついて行くと聞かなかったし、XANXUSも自分が離れなければ良いそう思い連れてきていた。
ルッスーリアの晴の活性で、少し怪我はしているものの命に関わるような怪我はしていないことも分かりXANXUSは内心安堵していた。
「…あ!!」
「…は?」
ヴァリアー邸入口につけられた車から降りる、そんな時に彼女は急に立ち止まる。
「…破水、した」
彼女の言葉に仰天しながらも、すぐに頭を働かせ抱き上げたまま邸内に入った。
「…ルッスーリアと医者を直ぐに呼べ…!」
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あれからすぐに駆けつけたルッスーリアとヴァリアー専属の医者に頼華を任せてからどれくらい経過したのか。
外はすでに暗くなっていた。
べ「…頼華まだかな」
フ「無事に産まれてきて欲しいですねー」
ス「…ルッスーリアがついてるんだ、大丈夫だろ」
レ「…ボス、落ち着かないですね」
レヴィに言われるまで気づかなかった。
俺は部屋の中を彷徨いていたようだ。
マ「…ボス。」
様子を見に行かせたマーモンが帰ってきた。
マ「無事に産まれたよ」
「…!」
ベ「…頼華は?」
マ「…大丈夫、笑ってたよ」
頼華のところに行ってあげて、ボス。
そうマーモンに促され彼女たちがいるであろう部屋に向かった。
扉のノブに手をかける。
この先に俺と彼女の子供が__そう思うと少し緊張感が走る。
ゆっくりと扉をあければベッドに横たわった彼女がいた。
ル「あら、ボス。やっと来たのね」
「…もういいのか」
医「はい、もう大丈夫ですよ」
ベッドに近づくにつれて彼女の腕に抱かれた小さな命が目に入る。
その小さな命はひとつかと思っていたのだが、彼女が抱えていたのはふたつの小さな命だった。