第4章 私の太陽【煉獄杏寿郎】
「杏さまは休憩しなくてよかったのですか?」
白く咲くツツジを1つ摘んで すぼんだ先を口に含む ほのかな甘さが広がる
「あそこに俺が居たら隊士達の休憩にはならんだろ…それに」
私の口からツツジを取り薄い桃色のツツジを差し出されたのでパクリと受け取った
「深影とこんな時間が過ごせる方が癒されるからな」
大きな手で私の頬を撫でられ 薄桃色の花が抜かれその花を杏さまは自分の口に含んだ
「退院が1週間後に決まりました あの…退院したらお願いがあります」
今回の入院は私の心と体が弱かったのだと実感していた
柱の皆様に多大な迷惑をかけてしまった
お見舞いに来てくれた柱の方々は皆様気にするなと御礼なんか要らないと何度も言ってくれたが私の気持ちが落ち着かない…
「蝶屋敷の手伝いをしたいです」
「?」
緋色の目が私を見つめる
「柱の方々は皆さんお礼はしなくていいと言われましたので 代わりに蝶屋敷なら皆さんのお役にたてますし 私も勉強になりますから…いいですか?」
今度は私が花をそっと抜いて 親指で杏さまの頬を撫でる
「もちろんだ!俺は嬉しく思っている」
「ありがとうございます」
杏さまに体を寄せると ギュッっと抱きしめてくれた
「やっと強く優しい深影が帰ってきてくれたのが何より嬉しいぞ!」
「はい 今まで皆さんに甘えてしまいました
今回は残念でしたが また次があります!次は万全の体制で頑張りますから」
杏さまは少し間を空けて笑い出した
私変な事いったかな?
首を傾げて杏さまを見てるとそっと耳元に口を寄せて
「ならば俺も万全の体制で深影を抱かないといけないな」
「えっ…そ…そんな意味では…」
一気に顔がのぼせるように熱くなり しどろもどろになる私を楽しそうに笑って見てくる
「あの…産婆さんからは次に月のものがくるまでは控えなさいって言われましたから……それまでは…」
「そうか ではそれまでは深影には優しく触れるだけにする」
「……お願いします」
「では胡蝶に屋敷の手伝いをさせて貰えるように 一緒に頼みに行こう」
そう言うと私の手を引いてしのぶさんがいる診察室に向かった