第4章 私の太陽【煉獄杏寿郎】
「もうお腹の中は大丈夫ですよ
ただ子作りは次に月のものがきてからだね」
しのぶさんも居るのに産婆さんの明け透けな言葉に少し顔が熱くなる
「分かりました 私が煉獄さんに無理をしない様に【しっかり】と伝えます」
しっかり に力がこもってます…
「1ヶ月は寝てばかりで体力も落ちてますから 後1週間蝶屋敷で体を慣らしてから退院にしましょう」
診察も終わり浴衣に鶯色の羽織を着て甘味とお茶をアオイさんと
なほちゃん達には水と桶と手拭いをたのみ一緒に道場へ持って行った
しのぶさんが「煉獄さんなら何も知らない隊士から手合わせを頼まれて道場にいますよ」と言われ大体の想像はついていた
「よもやこれしきの打ち込みでバテてるのか?」
杏さまは木刀を下段に構えたら全集中の炎の呼吸で闘気を足元から出して隊士に無言の気合いを入れていた
床に倒れ木刀も握れずに屍の様になってる男性隊士が5人と
木刀を持って立ち上がりはしてるけどフラフラになっているカナヲさんがいた
やっぱり……
以前の屋敷でよく見た光景が広がっていた
厳しい稽古に隊士の方は続かずに来なくなってしまう
継子だった蜜璃ちゃんだけが今のカナヲさんみたいに必死に杏さまに付いていっていたなぁ……
「杏寿郎様 休憩にされませんか?」
以前も稽古中は杏さまではなく杏寿郎様と呼んでいた…杏さまは気付いていただろうか
振り返った杏さまが私を見た
沸き立つ闘気がスッと消えて本来の柔らかな空気に戻り木刀を下ろした
「今日はここまで!後は頼む」
「はい かしこまりました 杏寿郎様もどうぞ」
手拭いを渡すと杏さまが柔らかく微笑み
「懐かしいな…深影」
耳元に囁いて井戸に汗を流しに行った
倒れてる隊士の方に濡れた手拭いを渡したり水を飲ませるようにアオイさん達に指示を出しカナヲさんに近づく
無言でペタリと座り込んだカナヲさんの顔を濡れた手拭いで汗を拭い首もふいた
無言で驚いているカナヲさんに
「首も拭うと今日見たいに風がある日は一段と気持ちいいですよ」
ちょうどその時に風が吹いてカナヲさんが私を見て本当の笑顔を見せてくれた