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かわいいひと

第4章 私の太陽【煉獄杏寿郎】





お互いの気持ちを確認してから
1週間後に私は退院が決まった

その日は玄関で父と母と蝶屋敷の皆にお礼を言っていたら 杏寿郎様と千寿郎様も迎えに来てくれた



「深影~」

走ってくる小さな黄色が私に抱きついてくる


蝶屋敷の皆は千寿郎様を見るのは初めてだったので そっくりな2人に驚いていたし 溢れでる千寿郎様の愛らしさにカナエ様はメロメロになっていて


「ちびっこ煉獄くん可愛いわ~遊びいらっしゃいね~」と頭を撫でられ恥ずかしそうにしていた



杏寿郎様が今日迎えに来た理由は知っていたので私は帰り道での会話は全く覚えていなくて 地に足がつかないとはこんな事なんだな…とつくづく思いながら歩いた


私の右目はもう開く事はなく
左目は傷は無いけれど結局ぼんやりとした視界のままだった


店の奥の座敷に座り母さんがお茶を出して皆で一息ついていると
上座に座っていた杏寿郎様が座布団からおりて背筋を伸ばした
父と母は何が起こるのか分からないみたいで顔を見合せている 私はいよいよだと思って杏寿郎様の近くに座った



「報告が遅くなったが影森殿 穂火殿俺は炎柱に就任した それで近々今の屋敷を出てそんなに離れてはいないが独立して屋敷を構える事にした
理由は…父上が今もあの状態だ 後輩の育成に多少なりとも影響がないとも限らないないからな 千寿郎には寂しい思いをさせるがそう決めた」


杏寿郎様が緊張している私を見て大丈夫だと手を握ってくれる

気付くと千寿郎様も私の側にいて背中に手を添えてくれた


「それで 不知火家から深影を貰いたいと思っている!下働きでは無く煉獄杏寿郎の妻として屋敷に来て貰いたい
今日はその願いに千寿郎と2人で参った」

そう言うと2人は父と母に頭を下げる 私も一緒に頭を下げた




頭を下げたまま長い…長い沈黙が流れる





「…お断りします」


初めて聞くような父さんの低い声だった
私は怖くて頭を上げる事もできなかった



「まずは身分が違う 杏寿郎様貴方は400年以上も続く煉獄家の長男です しかるべき身分の方を奥方に貰わなければなりません
それに深影はもう傷物です…ただの下働きですら出来ないのです 手を着けただけで責任など取らなくても構いません」




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