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かわいいひと

第4章 私の太陽【煉獄杏寿郎】






「千寿郎様も一緒に食べたかったですね」

2人で離れに戻り縁側で熱いお茶を飲みながら杏寿郎様の肩に寄りそい並んで月を眺めていた


本当に賑やかで楽しく優しさに溢れた食事だった


「千寿郎様もここに居たらきっと可愛らしい笑顔で蝶屋敷の皆様の心を鷲づかみするはずなのに残念です」


「ならば今度は千寿郎を連れてくるか」



温かい手が腰に回され振り向くと口付けをされた


「柱になったら俺は家を出て屋敷を構える事になる 隊士に稽古をつけたり継子も見つけ育てないといけない 今の屋敷では…」


父上様がいい顔はされない…のだと分かった


「深影…新しい屋敷に来ないか?」


「もちろんです!私はまだ目が悪いですが父は自由がききますし母も喜んで店を閉めて…」

不知火家にとっても嬉しい事できっと父さんも喜んで…



「違うぞ!そうではない」


「…俺は深影が好きだ 心から愛しいと思っているが 深影は…」


「私も杏寿郎様が好きです!幼い時から杏寿郎様だけですから」

杏寿郎様がいい終わる前に被せるように気持ちを伝えた


「下働きではない…妻として一緒に住まないかと言ってるんだ」




…………………………。


右手を杏寿郎様の鼻に持っていき摘まんでみた





………………。





「おい…深影…夢ではないぞ」




摘まんだままだったから少し鼻声になっている



「ふふふっ…ちゃんと痛かったですか?」



「返事は?」




両手で杏寿郎様の頬を包んで触れるだけの口付けをした







「もちろんです…杏寿郎様の妻になります」


杏寿郎様は深いため息を吐いて強く抱きしめてくれた 伝わる鼓動が私と同じように早いから
杏寿郎様も緊張していたのだと思うと愛しくてたまらない




「ありがとうございます杏寿郎様を幸せにします」




「それは俺に任せてくれ 深影はいつも側に居て笑ってくれるだけでいいのだ それだけで心が震えるくらいに俺は幸せなんだ」


抱きしめられて鼻に触れる杏寿郎様の髪がくすぐったい

杏寿郎様と私の時が重なった瞬間だった

今日の夜空 杏寿郎様の匂い 体温 髪の感触 鼓動すべて覚えておこう



杏寿郎様はもう一度 私を強く抱きしめて「明日は大事な日だから」と屋敷に帰っていった




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