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かわいいひと

第4章 私の太陽【煉獄杏寿郎】






「おぉ、影森殿!」



ちょっと遅くなったが不知火の店に立ち寄り任務先で買ったキャラメルを渡そうと店に入ろうとしたら影森殿が飛びだしてきた



影森殿の顔には焦りと不安が混じっていた

「なにかあったのか?」



「杏寿郎様!深影が帰ってこないんです」


「なんと!」


ある程度の話は聞いて影森殿は今から使いに行った酒屋に深影が来たか聞きに行くと言う

「俺が行くが早い、鴉を飛ばすから店に居なさい」


「杏寿郎様…しかし…」


「俺が行く!」


影森殿の返事も聞かず全集中で走りだした





「杏寿郎様…しばらくぶりですなぁ…」

事情を知らない酒屋の親父はしみじみと俺を見て懐かしいと頭を下げる

深影の事を聞くと2時間前には帰ったと言って何かあったのかと心配してくれたが あまり騒ぎになってもと思い適当に誤魔化した


穂火殿が大通りを歩けと言ったのなら深影は言い付けを守るはずだ


集中しろ!深影なら重い籠を背負いどう帰るのか想像しろ!


深影のいつもの歩幅で酒屋から店に帰るまでを再現しなから歩く


しばらく歩くと脇道から濃い酒の匂いと血の匂いがただよってくる

あの親父の酒の匂いだ…少しの違和感を感じ脇道を覗く
休憩するにはちょうどいい階段が見えてそこには籠が1つ取り残されていた


その横には怪我をして腕から血を流した男が酒瓶を抱えて居た


この男は以前深影と俺を見ていた男だ


「おい…深影を知らないか?」


遠雷が聞こえる…次期に雨になるだろう


「人に色目使いやがって…何が宝物だぁ…」


雨が降る前に深影の気配をたどらなければ雨に流されてしまう



男の側に赤い丸玉の折れた簪が落ちていた

【【 どくん 】】

大きく心臓が鼓動する


「貴様…深影に何をしたのだ!」


鬼ですら震えるほどの闘気が噴き出す


ガタガタと震える男に近づきもう一度問いかける


「あの女は俺を突飛ばして裏の森に逃げやがった!女が俺に口答えしやがって俺は悪くない!」


酒臭い息を吐き唾を飛ばしなから喚く男に背を向け階段を上る…途中に割れた酒瓶と血痕があった



酒と血の臭いの中にわずかに深影の甘い香りがする


「深影…」

雨の臭いが近くに感じる…早く見つけないと雨に邪魔をされてしまう

呼吸を整え深影の気配に集中した




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