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かわいいひと

第4章 私の太陽【煉獄杏寿郎】





薄桃色の唇に口付けをしそうになった


千寿郎の気配が近づいて来なかったらと思うと体の芯が疼いた


深影は妹では無くなったのだな…




久しぶりに深影の給仕で遅い昼食をとる



目の前に座る2人は団子を食べてどっちが美味しい?と言い合って笑っている

千寿郎も子供らしい顔を見せる いつもの食事が賑やかになるのが嬉しくて深影の明るさに感謝した



寝仕度をしていると、深影と一緒に後片付けをしていた千寿郎が顔を出した


「深影はお休みの邪魔になるからと帰りました」

「そうか気を使わせたな!」


褥の上に座ると千寿郎が近づいてちょこんと枕元に座る

「深影の簪は兄上が贈られたのですね」


一緒に台所に立った時に簪に気付いてその話をしたらしい



「鬼殺隊に入った時の御守のお礼がまだだったからな 遠慮するから俺が選んだのを勝手に渡したのだ」



「兄上が選ばれたのですね 深影の髪色にとっても似合ってました!それに深影はうさぎ柄の小物が大好きなんですよ」


それは知っていた、幼い時からうさぎ柄の手拭いやら巾着袋やらを持っていたし
うさぎの小さな置物を集めているのも知ってる


「1年前に御守をくれた時に鈴を深影の御守袋に付けたのは覚えてますか?」


「いかにも!3色の鈴を付けたな!」


「それが深影の宝物だったのです!いつも肌身離さずに付けているんです そして今日もう1つ宝物が増えたと喜んでました」


そうか…そんなに喜んでくれたか
深影が赤い顔をして「似合ってますか?」と聞いた時を思い出してつい笑ってしまった


「兄上も隅に置けませんね」


千寿郎はニコニコと笑い


「それではお邪魔しましたお休みなさい」


と言って部屋を出ていった



隅に置けないか…千寿郎は感はいい子だから どこまで気付いているのだろうな

閉められた襖を見つめため息をついた

今日も夜は柱の巡回について行く…
さっき触れた鼻先がムズムズして手で撫でて深影の顔を思い出すと不思議と胸が温まる気がした
遠くに祭り囃子の練習の音が聞こえる
あぁ…もうすぐ春の祭りがあるのだな…

まだたどたどしい太鼓の音を聞きながら眠りについた



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