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かわいいひと

第4章 私の太陽【煉獄杏寿郎】





簪を刺してもらった時に杏寿郎様の手が首に触れた

ただそれだけなのに触れた所が痺れる感覚がした


愛しい思いが溢れて杏寿郎様に伝わりそうで恐い…


きっと私の顔は赤くなっている、でもこのまま何も言わないのは買って下さった杏寿郎様に失礼になるから

溢れてしまった思いも少し乗せて「似合いますか?」と聞いた


杏寿郎様を見ると少し戸惑ってる様に見えて不安になる


綺麗だ!

大きな声で言われ周囲から注目を浴びて顔が熱くてのぼせ思考が停止した


気が付いたら杏寿郎様が私の手を引いて煉獄家の屋敷に着いていた





「深影と兄上はなんで手を繋がれてたのですか?」


杏寿郎様は先に風呂に入ると言って奥に行ってから千寿郎様が聞いてきた


「それがよく覚えてないのです…気が付いたら屋敷に着いてました…」



まだ赤い頬に手をあて答える私を千寿郎様は優しい顔で見ていた



「父上の分は私が持って行きます 何も言わないけど父上はいつも全部食べてます」



「よかったです…両親も心配してましたから」



重箱を広げ槇寿郎様の分を届に千寿郎様が部屋を出ていき私はお茶の準備をしていた

湯上がりの杏寿郎様が居間に入ってきていつもの場所に座った


いつもの燃えるような癖のある髪が濡れてペタンとして少し幼く見える



「ダメですよちゃんと拭かないとまだ滴が落ちてます」


杏寿郎様の後ろに回り手拭いで髪を押さえた


「すまない!腹が空いてたからな」


重箱一杯に盛り付けられたさつまいもの天ぷらに手を伸ばして頬張った


「お行儀が悪くですよ?」

「今は千寿郎がいないから良いのだ!深影しかいないからな」


そう言ってまた天ぷらを手掴みで食べようとする


「もう少しで終わりますから待って下さい」

後ろから手を伸ばして杏寿郎様の邪魔をした


「深影は厳しいな!」笑いながら杏寿郎様が振り返る

!!


鼻先が当たりそうな位に近い!しかも体も密着して薄い浴衣から杏寿郎様の鍛え上げた体の感触と体温が伝わってきた


杏寿郎様もなにも言わずじっと見つめるから私も見つめてしまう

一瞬お互いの鼻先が触れた…


「…千寿郎が戻ってくる」


そう言って杏寿郎様の顔が離れていった


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