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かわいいひと

第4章 私の太陽【煉獄杏寿郎】





「よもやあの火垂が嫁に行くとはな…任務で近くに行く事があれば顔を見に行くかな」


いつも稽古相手をしてはたんこぶを作っていた俺には火垂は今でも恐い姉上なんだな…手紙を読んでも嫁になっている姿が余り想像できない




日も傾いてきたのでそろそろ帰るかと余った料理を重箱に積めてもらった

店の外まで見送りに不知火家の皆が出てきた


「ありがとう!では失礼する!」

「今日はごちそうさまでした!」


曲がり角の所で振り返るとまだ3人はまだ見送っていた千寿郎と2人で手を振り曲がった

「不知火家は皆優しいな!」

「はい!」

さっきまでの賑やかさが消えて少し寂しげにしている千寿郎の手を繋ぎ歩いていると後ろから駆け寄る足音が聞こえて振り返る



「杏寿郎様…はぁ…はぁ…」

深影が走り寄ってきて懐に手を入れる


「これをお渡しするのを忘れてました」


小さな袋を取り出し鈴がチリンと鳴った


「中身は御守です 千寿郎様の分もあります」

俺のは黄色で千寿郎のは青の袋で同じ色の小さな鈴が付いていた

「私はお兄様と弟に挟まれて混ざった緑です」
深影が笑い自分の袋を見せた


「ありがとう深影!だがな鈴は音がするから任務の時には持っていけなくなるのでな」

黄色の鈴を外して深影の御守につける

「これなら俺がいつも見守ってるみたいだ!なっ千寿郎!」

「では私のも姉上の御守に付けて下さい 私も一緒に姉上を見守ります!」


深影の御守に黄色緑青の鈴を付ける


「これなら深影も心強いだろう!」



深影の手に鈴が3つ付いた袋を乗せた

それを嬉しそうに両手で包み笑う その姿にドキリと心臓が一度大きく動いた気がした




いつの間にか深影も大人の女性になっていたのだと意識してしまった



「ありがとうございます 失礼しますね」

チリンチリンと鈴を鳴らし角を曲がり走っていった



「深影もずいぶん綺麗な大人になっていたのだな…」


「深影は店の看板娘で独身の男性の常連客が多いのです」


「なんと!深影も嫁にいく日も近いのやも知れんな!」

千寿郎の手を握り笑うと何故か大きなため息を吐き出し肩を落とす


「よもや!千寿郎は深影を好きなのか?」



「姉上としては大好きですが女性としては違います!」


何故か千寿郎の機嫌が悪くなった



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