第4章 私の太陽【煉獄杏寿郎】
煉獄家の父上様は今だ自堕落な生活だったので不知火家で僭越ながらお祝いをしたいと父が言い出し
今日杏寿郎様の入隊祝いのささやかな食事会をひらいた
杏寿郎様の大好きなさつまいもづくしの料理が並べられて相変わらずの食べっぷりに母も嬉しそうに笑っていた
「愼寿郎様のお姿を思い出します」
そういた父は言葉に詰まり涙を拭う
「影森殿ありがとう だがまだまだこれからだ 必ずや柱になって見せる 父上も喜んでくれるだろう だから…」
待っててくれ…と言いたいのだろうけど煉獄の父上様の現状を見ると言葉を続ける事が出来ずに思えた
「私は待っています 大丈夫あのお方は強い私は知っています」
静かで凛とした父の言葉に母も頷き杏寿郎様は「ありがとう」と嬉しそうに笑った
私はさっきの話を杏寿郎様に聞かれたのかが気になりそわそわする
いつもと違う様子もないから多分大丈夫かな
「これから任務もあるから顔を出せなくなる 深影!たまには千寿郎に会いに来てくれ!」
まっすぐな視線で見つめられる
たとえ聞かれたとしても杏寿郎様は今はそんな事にかまってられないだろうな…
これからは訓練でなく命懸けで鬼と戦うんだ
少しでも心配事を無くさないと
「もちろんです 千寿郎様は私の弟ですもの沢山可愛がります」
千寿郎様と一緒に首を傾けて「ね~」と笑いあった
「よもや!俺の方が忘れられそうだな!」
本気で心配する杏寿郎様の顔が面白いとみんなで笑った
「そういえば火垂は元気にしてるか?」
火垂姉さんは杏寿郎様より先に鬼殺隊に入っていた
隊士となって間もない頃他の先輩達と向かった任務で下弦の鬼と遭遇した
隊士らは大怪我をして先輩達が食われ姉さんを含め何人かは朝日が登った事で助かり
藤の家紋の家で療養中にその家の主に見初めらた
姉さんは足に大怪我をして日常生活には困らないけど鬼とは戦えない体になった
それでも鬼殺隊の方に役に立てるからと藤の家紋の家に嫁いでいた
「初めは悔しくて泣いてばかりでしたけど名城(なしろ)様がとても優しい方で 火垂は今は幸せだと手紙がきました」
母さんが嬉しそうにその手紙を杏寿郎様に見せた