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かわいいひと

第3章 20センチ 【時透 無一郎】




数日後、緊急の柱合会議も終り鬼殺隊士の鍛練も始まる事も決まった。しばらくは忙しくなる


その前に三咲に会いたいなぁ

もう一度会って話をしたかった
あの日結局お礼は言えないまま柊に追い出されてしまったし…





柱を引退してお館様の警護をしている宇随さんに会いに行く



「宇随さん居ますか?」


玄関で声をかけると、お嫁さん3人が駆け込んで来てもみくちゃにされる


今までは気付かなかったけど女の子は柔らかいんだ…


「それくらいにしとけ時透が派手に赤くなってんだろ?」


宇随さんが奥から出てきて助けてくれた

でも宇随さんからも頭をガシガシ撫でられて
「お前派手に頑張ったんだろ?話を聞かせてくれ」
と言って居間に案内してくれた

やっぱり宇随さんは大きいなぁ…後ろ姿を見ただけで安心する
自分の手のひらを見て、さっき撫でてくれた手を見る……まだまだ自分は子供なのだと心底悔しかった









「ねぇ……宇随さんはいつから背が伸びたの?」



時透が訪ねて来ていきなりの質問がこれだ


「どうした?記憶戻ってぼんやりさんが無くなったって聞いたけどまだ派手にぼんやりしてんのか?」




嫁達は可愛い弟が久しぶりに会いに来たかのように玄関で時透を撫でまわし

「絶対にご飯食べて帰ってね」と言って楽しそうに台所へと消えていった

居間で向かい合って、上弦の伍に勝った事を誉めた俺に返ってきた言葉がこれだった



「僕より20センチは背が高いんだ…」



視線を落としモジモジしている時透を見る

「……三咲さん」



カシャンと音がした、廊下を見ると須磨がお茶とお菓子を入れたお盆を持って立っていた

「て…天元様お…お茶を」

明らかに動揺した様子の須磨がお茶出しを終えて一目散に台所へ向かった



14歳の初恋の相談だとは夢にも思ってなかった
台所で嫁達は盛り上がってんだろうな…


俺は15歳で嫁をもらったが、父親が勝手に決めた相手だったし、それまで訓練やら任務やらで初恋っていうものの経験はない


目の前で顔を赤らめて下を向く時透を見てどうしたもんかと腕を組んだ






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