第1章 歩く姿は… 【不死川 実弥】
「まだか?」
「はい、普通の女の子ですよ。私達とは違うんです」
知らない声がまた聞こえる
何度か意識が覚めそうになるも、どうしてもそれから先には行かなくてまた深く沈むを繰り返していた
いつも同じ知らない声がする。
誰かが私を心配してくれてる。
いい加減目を覚まさないと小太郎も両親も心配しているだろう
野菜売りも手伝わないと。
小太郎も心配して私の手を時々握ってくれてる。
小さな柔らかな手が今も私と繋がってる。
今日は少し手に力が入りそうな気がしてその柔らかな手を握りかえした
「しのぶ様!手を握りかえしました」
かわいい女の子の声だ
「お嬢さん、気がつきましたか?」
優しい女性の声が耳元で聞こえた
私は何処にいるのだろう
何故ここにいるのだろう
ワタシのまわりに居るのは誰なんだろう
沢山の疑問を抱えながら意識がまた深く沈んだ。