第2章 また、会いにいきます 【富岡 義勇】
夕方になり深月は無理をして胡蝶が用意した着物に着替えて蝶屋敷の食堂に座り子供達を待っていた
しばらくすると走る音が聞こえて三人が食堂に入り
「姉さん!」と叫び深月に抱きついた
「耕吉、亮吉、小春、姉さんの言う事をちゃんと聞いて我慢してくれてありがとう」
三人の頭を撫で回してまた抱きしめる、再会できた喜びを十分に味わってから
「お腹空いたね!食べようか!」
アオイ達が用意してくれた食事をする
冨岡が席を外そうと立ち上がると耕吉が
「最後だから、兄さんも一緒に五人で家族みたいに食べよう」
と言って冨岡を深月の隣に座らせ子供達は向かい側に座った
子供達は、冨岡の呼ぶ声がきこえて凄く安心した事、炭治郎と頑張って歩いた事、みんなで広いお風呂に入った事、ベッドで初めて寝た事など、たくさん話したくさん笑った
子供達もこれが最後の食事だと気付いている、だから深月も「お喋りは食べた後!」と怒らずに一緒に笑っていた
ただ小春だけは、耐えきれずに途中で泣きだしてしまった、そんな小春を耕吉と亮吉は背中をさすり、冨岡は頭を撫でてあげた
ずっと続いてほしい幸せな時間は終わり、お茶が冷めた頃には子供達はうつむき涙をこらえ震えていた
「みんな泣いてもいいんだよ」
深月は子供達の横に膝立ちになり目線を合わせ両手を広げて抱きしめ四人で泣いた
「私は鬼だからこの里には居られない、でもね、これからも人を食べずに生きて行く約束をしたから見逃してもらえたの…だけどみんなとは行けない、一番最初の約束覚えてるだろ?」
約束…みんなが家を出て独り立ちをしたら深月はまた別の土地に行ってしまい二度と合わない
三人は仕方なく頷く
「みんなの事は鬼斬りさんの大将が面倒を見てくれるから、私は安心して出ていけるよ」
もう一度抱きしめ笑った
「泣いた分より多く笑いなさいそうやって強く生きるんだよ」
私からの最後の約束と言って三人と指切りをした小春が冨岡にも小指を出し
「兄さんも約束、たまには笑うこと」
そうだ!そうだ!と耕吉と亮吉からも指切りさせられ困っていると
その顔!やっぱり面白いと深月が笑い子供達も笑った