第2章 また、会いにいきます 【富岡 義勇】
「鬼殺隊の里でここは私、胡蝶しのぶが管理をしている蝶屋敷です 鬼殺隊専用の病院みたいな所です」
胡蝶が傷口のガーゼを交換するために入ってきた
失礼しますねと、掛かっていた薄い布団を腰までめくり肩から掛けているだけだった浴衣ずれた、背中の深い傷にガーゼを付けただけの深月の肌が露になった
突然の事に冨岡の顔は熟れた林檎のようになり椅子を倒し立ち上がり背中をむけた
「初めてでもないでしょうに…」
早朝連れ込んだ時は全裸にして処置をしたし、それを冨岡も見てたくせに…そういう意味で胡蝶は言ったのたが
「俺は深月とは肌を合わせてない」
真っ赤な顔で拳を握りしめかすれた声で呟く冨岡を見て
イヤ…そういうとではないと思った
「私とは…?とはって事は他の方とはあるみたいですね」
冨岡の反応に深月が面白がりからかう
違うとも、そうだとも言えない冨岡は背中を向けたまま椅子を元にもどし膝を両手で掴んで座る
完全に深月に振り回されている、拗ねて部屋を出る事もなく羞恥にさらされながらも深月の傍にはいたいのだろう大人しく座る冨岡を見て
この人は深月さんを斬れるのだろうかと不安になった
傷口のガーゼの交換も終わり、深月に痛み止の薬をのませ布団も整えて
「終わりましたよ」冨岡に声をかけた
振り向いた冨岡はまたいつもの仏頂面にもどっているが、まだ耳が赤い
「心配されていた深月さんの子供達の事ですが、御館様が引き受けて下さるそうです
それと、深月さんの事は彼女の意思を優先して、判断は水柱冨岡義勇に任せるとおしゃいました」
「胡蝶さん…ありがとうございます」
二百年も生きている鬼とは思えないほどの愛らしい顔で胡蝶を見てお礼を言い微笑んだ
「これで安心して終われます、長い…本当に長かった…」
深月は深呼吸を何度かして涙を我慢する
「このままでも私は死ぬのでしょうね、血を飲みたくて噛みつきたい衝動が頭で濁流のように渦巻いてますからね…」
冨岡をじっくりと見つめた
「私は鬼として斬られて終わりたい、最後の願いを冨岡さんに託します」
「あぁ、必ず」
うなずく冨岡の表情はいつもと同じ仏頂面で、それを見ていた胡蝶は少し安心した