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かわいいひと

第16章 露草の消ぬべき恋も【宇随天元】




雛鶴が前に出て峰緒の父親に頭を下げた


「宇随の嫁 雛鶴と申します 私は宇随が峰緒さんを愛していた事を知ってました 今も愛している事も…ですが 私達3人の事も愛してくれてます

宇随が…天元様が愛している人達と一緒に暮らす事に何も不満もありません

天元様はとても心が広くて愛情深い方です 家族に注がれる愛情は溢れる事はあっても足りない事はありません

だから…家族になりましょう」


竈門は「ホッとした匂いがした」

我妻は「喜んでる音がした」

嘴平は「アイツは強ぇぜ…風のオッサンに似た気配がした」


この時の父親の感想を後になり3人は宇随に言った


「私も忍でしたが嫁は1人だったからなぁ…嫁1人でも手を焼きました…」

「俺は賑やかなのが好きだからな 嫁に手を焼くなんて派手に楽しいじゃねぇか!
峰緒と親父さんには今まで里から息子と娘を守ってくれた事…本当に嬉しいんだよ」


「そうだよ これから私も天元様の子供を沢山産むんだ だから…峰緒さんに色々教わりたいよ」

「そうです!負けません五つ子を産みますよ!」

「あんたはまたバカな事言って!」

「まきをさんは三つ子にしますか?」


2人がワイワイと言い合うのを雛鶴はいつものようになだめるのかと皆が思っていたが



「私は長女役はもう疲れました」

雛鶴がため息を吐き プィっとまきをと須磨から顔を背ける

「えっ!」意外な言葉と行動に皆が雛鶴を見る

「ヤダヤダ!雛鶴さん!」「雛鶴?」

須磨とまきをが驚いているのを見て雛鶴はフフフっと笑う


「だって天元様を天元と呼んで尻に敷ける峰緒さんですもの きっと私達の長女もお願いできます…よね?峰緒さん」

雛鶴が背けた顔の先には この騒ぎで目を覚ました峰緒が部屋の端に座っていて

おそらく人生で1番困った顔をしていた







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