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かわいいひと

第16章 露草の消ぬべき恋も【宇随天元】




宇随と冨岡は岩場の秘湯につかり体をのばす

少し熱めだと聞いていたが この間までの長雨の影響で地下水の量が増えたせいなのが少しぬるい

冨岡は熱めの湯よりもぬるい方が好みらしく気持ち良さそうに青空を見上げた


鬼殺隊で柱をしていた頃の無表情の仏頂面とは違い 顔が柔らかくなって美男子に拍車がかかっている事がちょっと気にくわない宇随だが 笑うようになった冨岡に安心していた


「お前ちゃんと鍛えてんだな」

以前のような鋼の体格ではないがいい体をしている

「あぁ…山暮らしは何かと力仕事が多いから」



そんな話をしていると嫁達が乱入し混浴になった


「お互い片腕だと不便でしょうから…天元様背中流しましょうか?」

ニコニコと大きめのタオルで体を隠した雛鶴が石鹸と手拭いを持って入ってくる
続いて裸のまきをと須磨が湯に浸かった


目を見開き慌てた冨岡は嫁の裸を見ないように岩の方を向いているが それを嫁達は笑顔で見ていた



「そんな隅っこに居なくてもこっちにこいよ!」

気の強い まきを がからかうように言い


「冨岡さんもお背中流しましょうか?」

天真爛漫な須磨は泳いで冨岡の側まで行ってニコニコと笑う


「冨岡ぁ…派手に女に背中流してもらった事はあるか?」


「……あ…る」


あるにはあるが…療養中 蝶屋敷の3人娘


「アホかぁ!ありゃ女と呼ぶには派手に早いわ!地味だなぁ…艶のある話はないか…須磨!背中流してやれ

安心しろダンナが派手に良いって言ってんだ遠慮すんなよ」



スイスイーと須磨が冨岡の近くまできて 思わずそっちを向くと 透明の湯の下に須磨の形のいい張りのある乳房が見えた




「おっ…俺は大丈夫だ!」


急に逆上せたように真っ赤な顔になり慌て湯から上がり脱衣場に行く冨岡を



「冨岡様って可愛らしい人なんですね」

クスクスと雛鶴が笑った


「おい !片腕だと着れないだろ?須磨手伝ってやれ」


「…頼むが……体は…隠して来てくれ」

片腕では下帯も帯も結べない冨岡の為に須磨は体にタオルを巻き体を隠して脱衣場に向かった





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