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かわいいひと

第2章  また、会いにいきます 【富岡 義勇】





視界さえどうにかすれば!



「冨岡さん!」

市松模様の羽織が見えた

「風から行く」

「はい!」


二人でなら村の男を守りながらの戦いも格段に楽になる

風使いから首を落とし、操り糸を使う鬼の首を落とした

風使いは灰になり崩れるも、糸使いは動かなくなっただけで崩れない


「炭治郎!本体が別にあるぞ!」
冨岡が叫ぶのと同時に深月の家から叫び声が上がる


そうだ!神隠しは子供ばかりだった始めから狙いは子供だったんだ…嵌められた!



「深月!」


冨岡が叫び上にある家に向かい走り出す

怒りの臭いが広がる冨岡のここまでの臭いを感じるのは初めてだった


鬼は勘次郎を取り込んで気配を消していたのか?

俺は深月の鬼の気配と混じって気付けなかったのか?


扉を蹴破り入ると鬼に取り込まれた勘次郎が深月に馬乗りになっていた


全身の血が沸騰してると思った、身体中の毛穴が開き怒りという名の水蒸気が吹きだした



鬼は子供を食べたかったようだが、勘次郎の深月に対する執念の強さをもてあまし上手く操れていない



鬼でも人でも…俺以外の男が深月に触れるな!



炭治郎が追い付き家に入ろうとしても冨岡の気の圧力で足が動けないほどだった

爆流のような気がおさまり、部屋に入ると鬼は灰になり消えかけていた




「深月!俺の血を飲め!」

血まみれの女を抱きしめ冨岡が叫ぶ


「冨岡…さん?彼女は人間ですか?」

炭治郎の声で正気に戻る、深月は鬼…血を飲ませてどうするんだ?
深月の守りたかった物は…どこだ!




耕吉!亮吉!小春!大声で呼ぶと床下から返事が聞こえた


三人は深月の言い付けをちゃんと守り、痣になるほどに手を握り耐えていた


床下を剥がし三人を確認する、炭治郎と一緒に床下から引き上げ頭を撫で強く抱きしめる


「いいか?この炭治郎と一緒に俺の屋敷に来い、俺は今から急いで深月を蝶屋敷に連れていく」

「姉さんは…大丈夫?」

「分からないから急ぐんだ!俺の屋敷にくるか?」

三人は頷き「はい」と返事をした

冨岡は炭治郎に子供達をなるべく急いで屋敷に連れてくるように指示し


深月の背中に裂いた布をぐるぐる巻いて止血をし、羽織をかけて背中に担ぎ、もう一度振り返り

「炭治郎頼んだ」

そう言って蝶屋敷に向かい消えた


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