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かわいいひと

第2章  また、会いにいきます 【富岡 義勇】






二百年生きてるだけあって深月はこんな状況でも取り乱す事なく笑っていた



「分かりました、子供達を起こしますから待ってて下さい」


柔らかく微笑み手首を握る深月を勘次郎は急に冷たく見つめ


「お前も馬鹿にしてやがるな」と手を振りほどき殴ろうとした

冨岡も深月が殴られると思ったが、微笑んだまま深月が勘次郎の首元に一発かまし勘次郎を気絶させた

驚いてる冨岡に、道場主の養女だったって話したでしょう?と笑った

自分で言うのもですが、この見た目でしょう?己の身は守れるように剣術と体術を父が死ぬまで教えてくれましたから見た目よりちょっと強いんです


二人で近づいてくる灯りを見る



いくら真実を話してもよそ者の話など信じてはもらえないし、冨岡が逃げても深月は座敷牢行きだろう


「全員で逃げるしかないですね」


子供達をたたき起こして最低限の荷物をまとめる


子供達も二人の様子から只事ではないのを感じ緊張していた

「とりあえず山に逃げるよ、山菜の採れる秘密の場所、そこに外からは分かりにくい洞窟があるだろ?そこに行くよ、満月だし目は慣れてきたかい?」


三人は素直に頷き手をつないだ



突然叫び声が聞こえてくる、冨岡は外にでて近づいていたはずの灯りを見た


「鬼だ!」


「山には行くな守れない!家にいろ!」

冨岡はそう叫び鬼の元へ飛ぶように駆け出した


深月は床板を外し子供達を降ろし布団を渡した


「音をさせてはいけないよ、音も聞かないようにしなさい。どんなに怖くても三人で手を握り我慢するんだよ」

「姉さんは…」

小春が声を震わせる

「私は鬼だから大丈夫、外で見張りをしてるから……たとえ静かになっても、姉さんか冨岡さんの声がするまで絶対に動くんじゃないよ約束だからね」

三人は頷き布団を被った、床板を元通りにはめこみ外にでた




鬼は二体いて一体は風をもう一体は気絶した人間を操る


風で土と枯れ葉が舞い上がり視界が悪くなった所に村の男を囮にして襲ってくる

囮になった男と逃げ惑う男達を守りながらの戦いに体力が削られる



「風が厄介だな」



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