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かわいいひと

第15章 骨まで愛して 【妓夫太郎】




呉服屋で舶来品の生地を見て 日本の物とは違う肌触りと発色に目を奪われた

目鼻立ちのいい蕨姫花魁だが
それよりも白く透明感のある肌に薄く浮かぶ血管すら色気に変わるほど蕨姫花魁の肌に美津は本当の美しさや艶を感じていた

だから…あの西洋の生地を見た時に蕨姫花魁に絶対に似合うと思った…のだけど…

「蕨姫花魁は…あの着物をお気に召さなかったのでしょうか?」


美津は風呂敷に目をやりながら不安げにしている
その姿を見ながら妓夫太郎は風呂敷を開くと…そこには可愛らしいリボンで結ばれた包みが入っていた


「これは蕨姫花魁からの御礼の品だ
花魁はあの着物を大層気に入って衣紋掛けに掛けて着もせずに眺めて上機嫌でいるぜ…だからお前さんは上等の仕事をしてくれたよ」


妓夫太郎が言うと美津の顔は花が咲いたように笑い右手を胸に当てた


少し派手に感じて衿の所を思いきって黒にした それだけでも出来は良かったけど 花魁の華をだす為に金糸で細かく刺繍をした


「特に彼岸花と蝶の刺繍が気に入ってるみたいだ」

「よかった…」


胸に置いていた右手に妓夫太郎は触れた


「あぁ…またお前に逢いにこれたしな」


美津は左手を妓夫太郎の手に重ねた


「はい…またお逢いできて嬉しい」


妓夫太郎を見る美津の目が微かに揺れている

「俺はお前に惚れている…そんな事を言われると勘違いをするぞ?」

妓夫太郎が顔を近づけささやく


「わ…私も…太郎さんが好き…」

美津が言い終わる前に妓夫太郎は美津の頬を包み口付けをした

唇から妓夫太郎の冷たい体温が美津の唇に伝わる 柔らかな唇が気持ちよくて美津が吐息をもらす 薄く開いた唇の間から妓夫太郎の長い舌が入り込んで美津の口腔内をくすぐるように動く

その刺激が甘く美津を痺れさせて妓夫太郎の肩を掴んだ
始めは薄く開いた唇だが次第に奥歯の方までなぞられて自然と大きく開きぐちゅぐちゅと音かするくらいに2人の唾液が混ざる…
妓夫太郎が溜まった唾液を自分の口に入れてゴクリと飲み込み唇を離す

美津はとろんとした顔になり半開きの口の端から唾液が垂れていた
そのまま美津を畳に押し倒し 美津が入れたお茶を口に少し含みそれを美津の口内に入れ舌をからめる

「ん…っ…ん…」

少し苦しそうに美津が声をあげたがそれも次第に甘い声に変わる







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