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かわいいひと

第13章 思い出紡ぎ 【悲鳴嶼 行冥】




馬や牛を飼育している広い牧場と高原野菜の農園と果樹園あり
敷地内にはレストラン 物産館 蕎麦打ちや自然酵母を使った手作りピザやパン作り体験の出来る施設 天然温泉の研修施設などがある大きな観光農園に就職して3年が過ぎた


宿泊は団体しか受け付けてなくて学校の合宿や会社の研修などに使われている


私はこの施設の果樹園で働いていた




昨日から3泊4日の高校生の合宿が来て宿泊施設の皆はバタバタと忙しい
今日は班ごとに選んだ

牧場体験 農業体験 果樹園体験の日で
私は先週合宿に来た中学生を担当したので今週は学生達に気を使う事もなく通常の果樹園の仕事をしている…はずだった



「安心院さーん!大変です!」

新人の広瀬さんがバギーに乗り走ってきた


私は果樹園の上の方にある蜜柑周辺に置いてある蜂蜜の巣箱を見に来ていて私もバギーに乗りヘルメットをかぶっていた

ヘルメットはバギーを走らせると虫が顔に当たるので私有地といえども必須だ




「どうしたの?」




「今日の体験担当の畠山さんがさっき脚立から落ちて足を捻挫したんです
だから安心院さんに代わりにお願いします 内容は先週と同じです」



今年の葡萄は大豊作で商品として卸す品の収穫は終わっている
言い方が悪いけど商品にならない果物をこういった合宿の体験として使っていた


午前中は生徒に収穫をしてもらい午後からは収穫した葡萄でゼリーを作り夕食のデザートに出す

という内容だった





「えっ時間…ヤバイよね?」


「急いで!でも安全運転で!」


なかなか難しい事を…言ってくれる


















「すいませんお待たせしました!昨日挨拶した畠山が捻挫で来れなくなりましたので代わりに指導いたします

安心院弥雲ですよろしくお願いします!」


30人ほどいる生徒の前に走って行き慌ただしく挨拶を済ませる


収穫に使うハサミと葡萄を入れる籠は他のスタッフが配っいて 収穫の仕方などはもう説明済みだった



「では さっそく葡萄畑に行きましょう!少し傾斜になってますし 背の高い人は頭に気を付けてくださいね」


さっきもらった資料を見ると紫陽花組 かぼす組 筍組 と 幼稚園みたいに可愛らしい組名が書いてある


「えっ…かぼす組…資料あってる?」



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