第13章 思い出紡ぎ 【悲鳴嶼 行冥】
日が昇るまで無惨をなんとしてでも地上に留めなければならない
地上に出てきたと情報が鎹鴉達から瞬く間に待機していた隠に伝わり私達も戦場へと向かう
後に無限城と呼ばれることになる空間での戦闘と犠牲者は伝令の鴉に聞いて知っている
でも悲しむのは今ではない…総力戦はまだ終わってない…終わってないと言うより今からが始まり…
無惨に陽光を浴びせ焼き殺す…その準備がやっと出来たばかりなのだから
戦場では何が…起こってるの
切り裂かれた人 血を吐き出してる人 瓦礫に埋もれ圧死してる人
戦闘の音が近づくほどに隊士の遺体が散乱している
1人1人に近づき息があるか確認をして生存者を探しては治療を行う
火の玉みたいな光が爆発して爆風と共に瓦礫が飛んでくる
中には隊士だったり 体の一部や日輪刀も飛んできた
「安心院さん!大丈夫か!」
飛んできた日輪刀が頭を掠めて私の帽子と頭巾が落ちた
「後藤くん大丈夫…体には当たってないから」
風の隊士の日輪刀だった
「ここには…もう治療が必要な人は居ません 先に進みましょう」
選別の時の後遺症は治っていた
でも万が一の事をかんがえると刀を握るのが怖かった この手が震えて守るべき人を守れなかったら?
今日の闘いに守る人はいない
生き残る闘いじゃない無惨を焼き殺す為だけの闘い
隊士だけでは無く私達 隠 も命を賭けないと勝てない
風の隊士の日輪刀を拾い前線へと向かった
あれが…鬼無辻無惨!!
玄弥くんと…一緒に鍛練をしていた隊士達だ…
柱は1人も居なくて 善逸くんと伊之助くんが竈門くんを守りながら無惨と闘っていた
竈門くんが最後に無惨に体ごと日輪刀を刺す 触手の攻撃を蜜璃ちゃんが防ぎ引きちぎると共に攻撃を受けて後ろに飛ばされる
右手からの攻撃は不死川くんが日輪刀を突き刺し防いだ
竈門くんを噛みつこうと無惨の顔面が2つに割れた…そこに伊黒くんが割り込み竈門くんを守る
「夜明けだ!踏ん張れ!」
不死川くんの声が響き 東の空を見ると陽光が射しだした