第12章 私の太陽 令和編【煉獄杏寿郎】
リビングに落ち着いても海景は父上の側から離れずに泣いていて叶芽を飽きれさせていた
「お父様…深影は幸せ者でした」
「もう泣き止みなさいそれ以上涙を流すと目が溶けるぞ…」
「せっかく綺麗にしてるのにほら顔を拭きなさい」
ハンカチでは追い付かない海景に母上がタオルを渡す
「瑠火様…申し訳ありません…」
ほら鼻もかみなさいとティッシュを渡したりと母上は海景の世話をしている
その度に海景は「瑠火様…瑠火様…」と言いながらされるがままに世話を焼かれている姿が幼い時の深影と母上の姿を彷彿とさせて気持ちがほわりと温かくなる…が…
「もう海景!」
母上が突然に海景の両頬を掴みぐにぐにと引っ張りだす
「母上!? 瑠火!?」
俺も父上も千寿郎も慌てて声をかける
「私だけ瑠火様だなんて寂しいではないですか!母上かお義母さんと呼びなさい!そうなるのでしょう杏寿郎!」
「「「!」」」
そこか!母上はヤキモチを妬いていたのか!
「呼ばないなら私は海景を白井さんと呼びますよ」
千寿郎と同じ事を母上は言いながらまだぐにぐにと引っ張っていた
「お義母さん…娘になりたいです…だから杏寿郎の…お嫁さんにしてください」
「よく出来ました…娘になりなさい許します」
煉獄家当主と次期当主を置き去りにした嫁入りの挨拶はつつがなく終了した