第12章 私の太陽 令和編【煉獄杏寿郎】
海景に会うのはいつも学園でだったからプライベートでの海景を初めて見た
いつもより目元のメイクをしっかりとして口紅も小さなラメの入った薄ピンクのグロスをつけている
髪もゆるく結んでふわりとルーズにまとめていて顔の横に下りたおくれ毛のせいで少しだけ艶があった
「すごく…綺麗だ…」思わず溢れた言葉に海景は「ドキドキ作戦大成功だ」と言って嬉しそうに笑った
車を駅前に止めて少し町を歩く 最近再開発で賑やかになった町は新しい店も増えていた
海景はセレクトショップや雑貨屋などに入り楽しそうに見ていた
「叶芽と一緒だと中々ゆっくり見れなくて…杏寿郎は退屈じゃない?」
気にして言ってくれるが楽しそうな顔を見たりどんな物が好みなのかを知る事ができて俺も楽しいと答えると「ありがとう」と笑う
自然素材の化粧品のショップで海景がハンドクリームを購入しているのを待っていると担任の生徒達に声をかけられた
「やっぱり煉獄センセーだ!」
「化粧品屋にいるなんて…デートだよね!彼女いたんだねぇ…」
「紹介してよー」
3人に囲まれてワイワイと話しかけられる
「ごめんね待たせ…て?」
海景の声に俺だけじゃなく3人の女子が一斉に振り向き海景を見るから海景は驚き固まっていた
「この人は海景さんだ…俺の奥さんになる人だ!」
「「「「えっ!」」」」
海景を入れた4人が一斉に驚きの声をあげた
「なんで海景も驚いてるんだ昨日言っただろ?」
「そ……うですね……ハイ」
矢継ぎ早に生徒は野次馬で質問してくるが
「今から両親に挨拶にいくから時間が無い まただな!」
顔を赤くした海景を連れて店を出た
最近話題のスイーツの専門店でマカロンとチョコレートの詰合せを購入してから家に帰ると時間は16時を過ぎていた
「ただいま!」と声をあげると千寿郎がニコニコと玄関にきて
「兄上 姉上 ご結婚おめでとうございます」
と突然言い出した
「確かに結婚するが…」
海景の記憶が戻った事は両親や叶芽から聞いているだろうが…結婚は…知らないはず
スマホの画面を見せられる…
千寿郎のグループラインに「煉獄先生結婚するんだってな!おめでとう!」
と何件も入ってきて鳴りっぱなしだったと言われた