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かわいいひと

第2章  また、会いにいきます 【富岡 義勇】





山菜を取りにきて道に迷った振りをしてその家に近づいた


中から十歳くらいの男の子が二人出てきた



「道に迷ってしまった※※村はどの方角になるかな?」


血色のいい肌で二人は顔を見合せる


「今は姉さんが足を怪我して動けないんだ、だから今日は無理だけど明日なら案内できると思う」

家の奥を見ると同じ位の年頃の女の子が姉さんの足に布を巻いていた



子供は今は三人か…子供の気配は確かに人間

だがこの姉さんは違う…が確かに日光を浴びていた




彼女は富岡を見てすぐに「鬼切りさんですね」と話かけた



「あぁ…」と答え日輪刀を取り出した


その途端男の子二人は富岡にしがみつき、女の子は鬼をかばい抱きついた


「耕吉、亮吉、離しなさい小春も大丈夫ですよ」


「でも鬼切りなんでしょ?姉さんを切り来たんでしょ?」



確かに切りには来たが日光を浴びて平気な鬼は見た事がない
初めて富岡は鬼を切る事に戸惑った

これは…鬼…なのか?


「子供達が怖がりますから刀は納めてください」


ちょっと考えたが今の状態ではそうするしかなく鞘に納め布で巻いて背中に担いだ



「二人も離れなさい、多分この方は柱でしょうからすぐに負けます」


ぶーだれた顔をしながらも素直に言う事を聞き、それでもどうにか守ろうと姉さんのすぐ隣に座った



「私は深月と申します、少し話を聞いていただいてもいいですか?」


「富岡…だ、話を聞こう」




「小春、お茶を入れてくれる?」

「…はい」


「ほら、二人も手伝いなさい。少し長くなるからご飯の支度もお願いね」


「はぁい…鬼切りさんも食べる?」


まさかの質問におもわず頷いてしまい


深月や子供達からはその顔が面白いと笑われた






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