第12章 私の太陽 令和編【煉獄杏寿郎】
「お帰り…海景…」
杏さまに抱きしめられて懐かしい体温と匂いに包まれる
涙が溢れて止める事も無理で私はわーんと子供のように声を上げてただ泣いていた
涙と鼻水で どうしようも無く不細工になっていく私を笑いながらタオルで拭いてくれる
「うぅぅ…すいません…ぐずっ…」
伊黒さんと冨岡さんも合宿所に入ってきて 大泣きしている私を見て笑う
「い…伊黒さん……ぐずっ…冨岡さんも……いる…」
「まだまだいるぞ!悲鳴嶼殿に竈門少年達も居るぞ!」
しのぶさんに洗面所まで連れていかれた
鏡に写る顔は涙と鼻水で汚れていて目は赤く腫れている
「まったく世話のかかる人ですね」
そんな事を言いながらもしのぶさんはタオルを持って待機してくれる
「私…不細工だ…」
「大丈夫ですよ 今が不細工なだけで いつもはちゃんと可愛いですから」
「ピチピチの女子高生に言われても…しのぶさんが眩しくて目が開きません」
「目が開かないのは泣きすぎたせいです」
しのぶさんに世話をされるのは好きだった
ちょこちょこと嫌みを言うけどそれはツンデレで『私は心配なんかしてないんだからね!』って態度をしながら触れる手と私を見る目は優しい…
「しのぶさん…生きて帰って来なかった事…許してないです」
しのぶさんを抱きしめてまた泣いてしまう
「海景さん…制服に鼻水つけたら許しませんよ」
そんな可愛くない事をいいながらも
「あの戦い方しか出来なかったんです…最後まで蟲柱として恥じぬ戦いは出来たんですよ…だから…許して下さいね」
私より小さなしのぶさん…その身に毒を蓄えて戦いぬいた…そう杏さまと同じ…
「うん…また会えて本当に嬉しい…でも…ごめんなさい鼻水ついちゃった」
「仕方ないです 今日だけ許してあげますよ」
散々泣いて顔も洗い気持ちも顔もスッキリして みんなのいる食堂に戻った
不死川先生伊黒先生冨岡先生は飲んだ後に入るのは面倒だからと風呂に行ったらしい
テーブルの上にはカナエさんの揚げた春巻きと唐揚げも置かれてた