第12章 私の太陽 令和編【煉獄杏寿郎】
天ぷらは私の得意料理で衣に片栗粉と砂糖を少し入れるのが隠し味でもありカラリと揚げる秘密
茄子は水分が多いからどうしても時間が経つとしんなりしてしまうのは仕方ないけど他はサクサクに揚がっていた
とうもろこしの天ぷらは「食べた事がない」とカナエ先生が言うから キッチンにいる4人で味見と言う言い訳のつまみ食いをした
一口噛んだ後の3人の笑顔を見て 私はやっぱり料理が好きだな…と思う
「うまい!」の大きな声が聞けなくてもあの子達のこの笑顔があれば生きていける…と思ったんだよね……
ふわりと3人の少年の笑顔が浮かんだ
野菜の天ぷらは全部揚げ終わり 後は海老の天ぷらにかかる
しのぶちゃんが綺麗に盛付けてくれたのをカナヲちゃんがテーブルに運ぶ
海老は20本揚げる 隣のカナヲ先生も春巻きが終わり唐揚げに取りかかっていた
「それにしても凄い量よね…」
「やっぱり多すぎですか?宇随先生がみんな沢山飲むし食べるって言うから…足りないのが嫌で10人分を作ってます」
「量は大丈夫よ このくらいないと足りないと思うし 余ったら持って帰ればいいもの ただね海景さんが大変だったんじゃないのかな?と思ったの」
「私は平気です 沢山作るのは大好きなんです…土日だと叶芽と2人分しかつくらないから物足りないくらいなんです」
「カナエ殿も来てたか!」
風呂上がりの煉獄先生は すそは赤く上にあがるにつれて黄色から白へとボカシの入ったTシャツに黒のジャージ姿 中途半端に拭いた髪はペタンとして水滴がポタポタと落ちる
「また…ちゃんと拭かないとダメです 座って下さい」
海老を揚げ終わった私は煉獄先生を座らせて後ろに回り肩にかかっていたタオルで髪を丁寧に拭う
「ありがとう海景」
こっちを向こうとする先生の頭を掴み
「じっとして下さい」と言って続ける
乾いてる時はピョコピョコと跳ねて元気な髪は触れると以外にも柔らかく気持ちがよくて好きだ…った
金色の髪を指に絡ませ遊びながらタオルで髪を押さえる
なんで…私は煉獄先生の髪を拭いてるの?でも…何故か指に絡まる金色の髪の感触を知っている
それに なんで宇随先生もカナエ先生もしのぶちゃんもカナヲちゃんも何も言わないんだろう…