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第12章 私の太陽 令和編【煉獄杏寿郎】




煉獄が死んで 一時は後を追う事を考えていた深影だったが 煉獄が託した遺言通りに深影は竈門達4人と一緒に暮らし 日々世話をやいていて笑顔を取り戻していた 俺が遊郭にあいつらを連れて行った時は

『生きて帰ってこないと許しません』

とだけ書いた手紙を要が俺の元に届けにきたし
上弦との戦闘でボロボロになった俺達が蝶屋敷に帰った時は生きて帰ってきた事に喜びながら大泣きしていた




鬼殺隊が解散した後 竈門達は雲取山へと帰った

炎柱の屋敷を御館様に返した深影は 煉獄の位牌を煉獄家の仏壇へ預け 自分は煉獄の遺髪と簪を持って実家の小料理屋へ帰った

小料理屋では時々 煉獄の親父さんと弟の千寿郎が食事に来ているのを時々見かけたりした

月命日には俺と不死川と冨岡が小料理屋へ行って さつま芋づくしの昼ご飯を食べて近況報告をしあう会合が数年続いた


それが終わったのは…煉獄が深影に残した金で軽食と甘味を出す店を開きたいと 帝都へ物件を見に行った日に関東大震災で被災して深影は死んだ



煉獄は要を可愛がっていたし煉獄が死んだ後も他の隊士に就く事はせずに御館様は要を深影の元に置いてくれた


そんな要の最後の仕事が深影の死と収容されている場所の報告だった

要は煉獄と深影 2人の死を知らせる事になり要に会ったのはそれが最後だった




令和の時代で両親は早く亡くなってしまったみたいだが 2人で仲良く生きている姿を見れて俺は本当に嬉しかった


目の前の海景は春巻きを手際よく巻いている それを眺めながら2缶目を開けた



「宇随!君はもう飲んでるのか?」


夏には少し暑苦しさを感じるでかい声に確認するまでもなく煉獄だと分かる


「頑張った俺を派手に誉めてよ完璧だからさ ご褒美ビールくらいいいじゃん」


「手伝いにきたんだが…そうか終わったか…なら白井さんの…」


「煉獄先生の手伝いは大丈夫ですよ…後が大変なんです……から…」


春巻きを巻く手が止まり海景がまた考えこんでいる



思い出していない海景は時々現れる記憶に混乱する それを俺達は何も言わずに聞き流していた


「そうだな!俺は料理はからきしダメだからな!」

煉獄はその記憶が嬉しいらしくてニコニコと笑っていた



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