第12章 私の太陽 令和編【煉獄杏寿郎】
献立を考えたのは私で食材のメモは渡していた
宇随先生のカゴの中身は凄い事になっていて 私がビックリしてると
「俺ら呑んでもすっげぇ食うから一杯作ってくれ 特に煉獄はさつま芋が好きだからな」
取りあえず10人分かな…米は8合炊く事にして米を洗いザルにあげて
まずは煮物から先に作る準備を始めた
4台のコンロをフル回転しながら準備をしていくと エアコンをつけても炎と蒸気で室温があがって汗をかいていく
春巻きの中味をトレーに広げて冷ましたのを包む準備をしていると 宇随先生だけが帰ってきた
「ただいまぁ…外は派手に暑いけど ここも地味にあちぃ…」
エアコンの設定温度をピピピと下げてから冷蔵庫に入っているビールをプシュッと開ける
「あれ…叶芽は…」
「叶芽は煉獄夫婦につかまった」
週に1回書道部の講師にくる瑠火さんと同じく剣道部にくる慎寿郎さんの煉獄夫妻に初対面から物凄く可愛がられていた叶芽で
「父上と母上は女の子も欲しかったみたいで…でも母上の貧血が悪化して断念したんです
その影響で叶芽に対しての愛情が行き過ぎてるみたいで…ごめんなさい」
何回目だったか叶芽と道場に見学に行った時に千寿郎くんに謝罪された
「大丈夫だよ叶芽もなぜか煉獄先生千寿郎くんに逢いたい 父上さんにも逢いたいってよく言うから時々見学に行ってるの…迷惑かけて申し訳なかったけどそうじゃ無いみたいでよかったよ」
宇随先生の話だと理事長と慎寿郎さんは知り合いだそうで今日は夫婦で挨拶に来たらしい
「理事長室に一緒に連れて行かれちまった 挨拶が終わったらこっちに連れてくるってさ」
春巻きを巻いている私の向かいに座り 喉仏を上下させながら美味しそうにビールを飲んだ
海景は「理事長室に!?」と驚いていたが
要は煉獄の鎹鴉だったから瑠火さんは知らなくても 御館様と親父さんは良く知ってる
要が叶芽になって戻ってきた事は多分御館様も嬉しいだろう
「大丈夫だよ 御館様は…てかなんかツマミねえの?」
俺の「御館様」発言にはまったく反応せずに「飲むの早すぎますよ!」とか言いながら冷蔵庫から茹でて塩をふった枝豆を出してくれた
相変わらずいい女だな