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かわいいひと

第12章 私の太陽 令和編【煉獄杏寿郎】




高等部と中等部の校舎は別々、食堂もそれぞれにあるから普通に働いていると合うことはなかった


ただ叶芽が俺や千寿郎 父上 母上に会いたがりたまに2人で道場へ見学に来るので 少し話す機会はあった


千寿郎は週に1度 学食を利用するようになり海景と少しずつ距離を縮めているらしい











「海景さん!」

僕が呼ぶと海景さんの目が笑う

頭は白い帽子で髪の毛を隠しマスクをしているから海景さんは目だけしか見えてない
色素の薄い茶色の瞳と立ち姿は小さな頃から見ていた深影だから海景はすぐに分かる






「煉獄くんこんにちは最近食堂多いね」


「海景さんが来てから美味しくなったからです」



今日の定食はチキン南蛮だ…タルタルソースが海景が来てから味が変わって美味しくなった 隠し味は『らっきょう』だとこっそり教えてもらった





「じゃあ…海景さんいただきます」


「はいどうぞ」


あの頃から変わらない「いただきます」の挨拶に気付いてるのかな…



大盛ごはん チキン南蛮 豆腐サラダ カボチャとほうれん草の味噌汁

今日の日替わり定食を持って友達のいるテーブルに向かった



「よく噛んで食べなさい」大正時代から言われていたからどうしても友達より食べるのが遅い 早く食べる事も出来るけど海景のご飯は勿体なくて出来ない


すでに食べ終わった友達は食堂の席に限りがあるからと教室に帰っていった


1人で食べていると帽子とマスクを外した海景が来て弁当を出した

「今日は早く出勤したから今から休憩なの一緒に食べていいかな?」


向かいの席も空いているけど海景は隣に座った これも大正時代の癖だ

沢山食べる兄上の向かいに2人で並んで座っていたのを思い出す



「これを一緒に食べたくてね…」


食後に出してきたのは…味噌味と醤油味のみたらし団子だった


「昨日叶芽と散歩してたら和菓子屋を見つけてね…何故か懐かしくて煉獄くんと食べたくなったの…」


2人で2種類の団子を食べる そして絶対に海景は言うんだ


「『どっちが美味しい?』」


ほらね…そしてまた僕も言う


「『どっちも美味しいから決められません』」



だからまた2種類買ってしまうんだよね 姉上…





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