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かわいいひと

第12章 私の太陽 令和編【煉獄杏寿郎】




資料を読み終わり、時計を見ると5時30分になっていた

資料は持ってきていた風呂敷に包み、リュックを背負って道場へ行く

道場の場所を聞いて無かった!

少し焦ったけど煉獄先生の大きな声と生徒の声が聞こえてくるからすぐに分かった


叶芽は起きていて道場の隅にちょこんと座り大人しく稽古の様子を眺めている……その隣に…


小さい煉獄先生と少し歳をとった煉獄先生が居た……


いよいよ私はおかしくなったのかな…さすがに不安になっていると


「初めて見たらビックリするわよねぇ 私も しのぶ も驚いたもの…でも小さい煉獄さんは本当に可愛いわよね…深影さん」


長い髪に蝶の飾りを着けた、すごく綺麗な女性が立っていた


「高等部の生物教師の胡蝶カナエです

貴女は白井海景さんでしょ?」


剣道経験者の胡蝶先生は時々道場に来て型を教えているらしい

その胴着姿を見たい為に入部した生徒もいるとかいないとか…



「煉獄先生のお父様と弟さんなのよ
弟の千寿郎くんは中等部に在学していて
お父様は自宅で剣道道場をしててね 奥様が書道部の指導にいらした時にだけ剣道部の指導をされてるのよ」





「瑠火さんお疲れ様です…こちら白井海景さん…今年から中等部の食堂に勤務されてるんですって」


和装姿の凛とした瑠火さんは少し微笑んで「煉獄瑠火です」と綺麗な所作でお辞儀をされて
私も慌てて「白井海景です」と挨拶をした



剣道部の練習も終わり「それでは失礼しますね」と胡蝶先生は校舎の方へと帰っていった


「白井さん!…と母上!」煉獄先生が駆け寄ってくる


「…と、母上ですか?」くすくすと笑う瑠火さんに煉獄先生は「まいったなぁ」と頭を掻いた


叶芽も私に気付いて「お姉ちゃん!」と駆け寄ってきた


「叶芽もすっかり目が覚めたみたいなので2人で帰れますから…」


「ヤダ!杏寿郎とまだ一緒にいる!」

袴にすがりついて涙目になる


「叶ちゃん…今日はどうしたの?」

こんなにワガママな叶芽は久しぶりだ…



「やっと…逢えたもん…ぐずっ…」


「えっ…泣くの?泣くほどなの!」



煉獄先生はひょいと叶芽を抱え上げて


「ちゃんと家まで送るぞ!だから海景を困らせるな!分かったか?叶芽!」


「ワカッタ…」


なんで…片言なの?

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