• テキストサイズ

かわいいひと

第12章 私の太陽 令和編【煉獄杏寿郎】




宇随先生は大きな方の窓ガラスが割れてるのを見て

「ボーナス払いにしてもらうかな」と、肩を落としていた



奥から箒と、ちり取りと新聞紙を持ってきて一緒に片付けていると


「女の顔にキズつけちまって…本当に悪い…」

派手な容姿から軽薄なイメージだったけど本当にシュンとしてる…


「 私、揚げ物が得意なんです でね揚げ物をしてると時々油が跳ねて顔に飛んだりするんですよ だからこのくらいのキズなんて平気です!派手な宇随さんらしくないですよ!」


宇随先生を見るとポカンとした顔で私を見てる

「あれ…派手…?」


自分から出た言葉に口を手で押さえる

なんだろう…宇随先生のキラキラした外見だけで言ったの?私…すっごく失礼じゃない?


「ずいぶん昔にさ…」

宇随先生がアワアワしてる私に優しく笑いかける


「俺でも敵わないくらいケンカが強い男がいてさ
そいつの女右目に傷があったけどすげぇ可愛い女でなぁ……でもその男が死んだんだ 後を追うんじゃねぇかって心配したんだけど 男が残した言葉で頑張って生き抜いた女でさ…
その女を俺はちょっと好きだった
それで元気にやってるか心配で 男の月命日に手を合わせに女の所に通っててさ…

毎回…昼飯に男の大好きだった さつま芋の天ぷらとさつま芋ご飯とさつま芋の味噌汁が出てくるんだよ…
どんだけ愛されてんだって思ってさ…うらやましかった…

俺の切ない思い出の味なんだ…得意だろ?今度作ってくんない?」

箒の柄に顔を付けて私を優しい笑顔で見てる

この笑顔……左目にキラキラした眼帯をつけた和装姿の宇随先生がだぶって見えた…気がした



「…………いいですよ」



「ありがとな…楽しみにしてるわ」


ガラスの破片を新聞紙で包みそれを紙袋に入れて宇随先生はゴミ捨て場に持って行った




宇随先生って何歳なんだろ…ずいぶん昔にって…生き抜いた…って言ったような…

一瞬見えた和装の宇随先生は何だろう

「宇随、天元先生…様…」




『天元様って派手に呼べよ…』






今日はなんか色々ありすぎて混乱している…深く考えればいいのかも分からない…

取りあえず分かる事を先に終わらせよう!

私はパソコンを開いてデータを印刷して資料に集中した




/ 396ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp