第12章 私の太陽 令和編【煉獄杏寿郎】
「俺達は高等部の教師だ」
宇随はそれだけを伝えただけで誰も名のってはいない
「俺の事だ!煉獄杏寿郎…社会科の教師をしている!」
みかげ に かなめ か…愛した人と鎹鴉が親子になっていたか…
不死川と宇随と伊黒はなんとも言えない顔で俺を見ている
出会えたが…もう人妻になっていたか…
薄い茶色の髪に薄い茶色の瞳…白い肌…ん?
「右目の下に血が滲んでいる!怪我をしたのか?」
「2回目の爆発の時に何かが飛んできたのでその時にですかね…もう痛くもないので大丈夫です」
右目に傷を付けられても…深影の笑顔は可憐だった
「煉獄!」
不死川から手を掴まれてて初めて俺は海景の顔に触れていた事に気付いた
「すっ…すまない!ご主人がいるのだったな!」
雨の降る御堂の中で俺は初めて深影に触れた…雨に濡れた深影の頬の冷たさが記憶とともに指先に滲んでくるようで拳を握りしめる
「あの…主人はいませんよ?」
「地味に別れたのか?」
「結婚というものをしたことはありません」
「未婚のママか!お前…派手にすげぇな」
「宇随…人のプライバシーへの遠慮のなさは何度もいうが少し改めろ!貴様この間も俺が甘露寺とラインしてたら覗いてきて…ぶつぶつ…」
結婚…はしてない…子供は…海景はいま何歳なんだ?
固まっている俺を周りの男達が気づかうように生温く見ている
「まだ若いのに大変だなぁ…俺は不死川実弥で数学教師
で、あのぶつぶつ言ってるのが伊黒小芭内で化学教師
あの遠慮のないデカイ奴が今回の爆発事故を起こした宇随天元で美術教師だ」
なかなかの個性的な教師の皆さんだなぁ…
「叶芽は妹なんです15歳年下の
両親が事故で亡くなって…私が育ててます ママって普段は呼ばないんですけど…今みたいな大きな音が突然響くと事故を思い出して……叶芽はその場にいましたから…」
「宇随…お前…」
恐ろし顔の不死川先生に睨まれてもなお宇随先生は煉獄先生にニコニコして何か話しかけている
「叶ちゃん!寝ないで!お家に帰るまで寝ちゃダメだよ」
泣きつかれて力の抜けていく12キロの5歳児は重い!