第12章 私の太陽 令和編【煉獄杏寿郎】
叶芽は私の15歳年の離れた妹だ
両親が亡くなり叶芽は姉夫婦が引き取る予定だったのだけど
姉は叶芽が産まれた頃には家を出ていたので叶芽にとっては余り知らないお姉さんだった
姉の旦那さんは老舗旅館の跡取りで物腰が柔らかくて本当に優しい人だったのだけど
叶芽が食べ物を吐く、突然泣き出したりと情緒が不安定になっていった
そんな不安定な叶芽を私は手放す事なんて出来なくて私が育てる決断をした
覚悟を決めたらいろんな歯車が噛み合うようになり、内定が貰えなかった就職活動も最後の方に転がり込んできたキメツ学園に良い条件で決まりアパートも保育園もいい所に入れた
「大丈夫…叶芽はちゃんと守るからね」
今の私の生きる理由だった
初等部と中等部はクラスが少なく1つの校舎にまとめられて1階と中2階が食堂になっている
専門クラスなどもある高等部は中庭を挟んで別館になっていて食堂もそっちにあった
仕事のペースにも慣れて気持ちに余裕ができた頃に片峯さんから
「これが学園の今年の年間スケジュールで…このファイルがここ5年の過去資料だよ」
進学校でもある学園は夏休みでも午前中は夏期講習をしていて強制ではないけど先生達は生徒から人気があり受講する生徒が多い
なので午後も校舎を解放して自習ができるようにするらしい
なので食堂も生徒の為にメニューを減らして開くという事だった
「白ちゃん…はいこれ」
白井で色白な事もあり私はみんなに白ちゃんと呼ばれている
「この学園はね毎年夏限定メニューを出してるから、この資料と予算とかを踏まえて何品か考えてね」
春メニューは前任の人が考えたのを提供していた
「いいんですか?」
「もちろん!みんなで考えて試食して決めてたんだから取り敢えず期限は1週間…2週間後がいいかしら?」
「1週間で!1週間で考えてきます!」
鼻息荒く答える私に片峯さんは
「じゃ…楽しみにしてるね白ちゃんお疲れ様でした~」
「はい!また休み開けに!」
うわぁ…夏メニュー…わくわくする
資料も読みたいしパソコンでも確認したい…けど…
ゴールデンウィークが明日から始まるので今日は翌日の仕込みも無くて早く仕事は終わっていた
よし!叶芽のお迎えに行ってまた戻ってこよう