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かわいいひと

第11章 雪の日に始まる【冨岡 義勇】





冨岡は足が腫れて走れない三葉を抱えて蝶屋敷へと走る


うっすらと夜が明けた紫色の空が鬼の時間の終わりを告げていた


物凄く大きな足音がして処置室の扉が開くと冨岡に泣きながら猿轡をされた三葉が抱えられた状態で現れしのぶは青筋をたて冨岡を睨み付ける



これは…鴉の報告を聞いて安心した三葉が号泣し
「舌を噛むから泣き止め」そう言っても無理だと泣く三葉に手拭いを噛ませる為にした事だったが胡蝶に怒られた




「宇随さんはまだ着いてませんよ
でも鴉の報告だと隠の手を借りずに奥方達に支えられて歩いてるらしいですから以外とピンピンしてます…が左目と左腕を失いました」



「それと冨岡さん…貴方が命を懸けて守っている竈門炭治郎くんも生きていますが重傷で意識不明です」



「動いた…な」


「ええ…貴方の判断が正しかったのかもしれません」


確かにあの兄妹がいる所に上弦がくる…2回も連続で起これば偶然では無いかもしれない

柱2人はなんとも難しい顔をしているが三葉は分からずにいて

ただ2年前に命を懸けた人が竈門炭治郎という人だとは分かった




胡蝶と冨岡が今後の鬼殺隊について話している間ぼんやり廊下の椅子に座り宇随達の帰りを待っていた
一睡もせずにお百度参りをして張詰めた気持ちが緩み泣いた事によって三葉は睡魔と戦っていたが久しぶりの冨岡の匂いと落ち着いた低い声が心地よくていつの間にか眠ってしまった



胡蝶が寝てしまった三葉に気付いて冨岡が三葉が使っている部屋へと運びベッドに寝かせる
着せた羽織を脱がし布団を掛け泣いて赤く腫れている目蓋にそっと口付けをする


「手を出すならもらいに来いよ」

振り向くと満身創痍の宇随が立っていた


「竈門炭治郎…あいつ強くなるぞ…鬼の禰豆子も鬼化が進んだ時は人を襲おうとしたが竈門がちゃんと止めた」


「冨岡…今日はあの2人がいなけりゃ俺達は死んでた…俺も認める」


「そうか…」



「お前もぐずぐず悩んでんじゃねぇ…覚悟を決めてもらいに来い」



「宇随さん!早く来てください重傷なんですよ!」


珍しく声を荒げた胡蝶に処置室へと連れて行かれた



宇随も炭治郎も大切な人を守りながら戦っている


三葉の寝顔は2年前と変わらず幼いままだった

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